【トヨタ ハイエース コミューターGL GDH】構造変更 14人乗り→10人乗り、3ナンバーへ!普通免許でも運転!!大阪府門真市の整備士が構造変更に必要な手続きを徹底解説!
●今回お預かりしたお車
メーカー・ブランド | トヨタ ハイエース コミューターGL |
型式 | 3DF-GDH223B |
年式・初年度登録 | 2024年 |
走行距離 | 70㎞ |
今回お客様からお預かりしたお車は「トヨタ ハイエース コミューターGL」です。送迎用やロケバス、福祉車両として、様々な顔を持つコミューターは、ゲストの為の車として人気の高い車種になります。室内のシートは効率的に配置されていますし、全タイプがハイルーフ仕様ですので、乗り降りが楽なのもコミューターの特徴です。
ただ、コミューターは11人以上の区分になりますので(14人乗り)、普通免許では運転出来ません。中型免許以上が必要になりますので、せっかくコミューターがあってもドライバー不在になる可能性も有り得ます。今回、14人乗りのコミューターを10人乗りに構造変更する事で、普通免許で運転出来る様になりました。また座席を取り外した事で荷室が広くなり、コミューターの弱点だった「あまり荷物を乗せられない」と言う部分が克服出来ましたので、まとめたいと思います。
●構造変更の内容(ご依頼内容)
◎14人→10人への乗車定員数変更(減員登録)
◎定員変更に伴う用途変更 乗合→乗用へ
車 種 名 | 主な用途 | 定員 | 免許 | ナンバープレート 分類番号 | エンジン |
ハイエースバン (レジアスエース) | 貨物 | 最大9人 | 普通免許 | 4ナンバー 1ナンバー | ガソリン車 ディーゼル車 |
ハイエースワゴン | 乗用 | 10人乗り | 普通免許 | 3ナンバー | ガソリン車のみ |
ハイエースコミューター | 送迎 | 14人乗り | 中型免許(8t限定解除) または大型免許 | 2ナンバー | ガソリン車 ディーゼル車 |
●構造変更する事で得られるメリット
◎普通免許で運転出来る(14人乗合の場合は中型免許以上が必要)
※今回の様に業務用の場合は「普通二種免許」が必要になります。
◎荷室が広がる
◎2ナンバーから3ナンバーになる事で車検が1年毎から2年毎になる。
◎自賠責保険が安くなる。(逆に自動車税は高くなるのでデメリット)
●構造変更の作業
◎最後尾の4席を取り外す。
◎シートベルト等乗車10人以下の乗用車基準をクリアしている事を確認。
業務用として使用する為、旅客自動車運送事業に必要な保安基準(乗車定員10人以下)をクリアする様構造要件を満たす必要があります。
第22条の4 | 頭部後傾抑止装置等 | 運転者席・旅客3人分備えること |
第23条 | 通路 | 有効幅300mm以上、有効高さ1600mm以上(座席との距離2m未満は1200mm)の通路を設けること |
第25条 | 乗降口(直接、着席できる座席の乗降口を除く) | 有効幅600mm以上、有効高さ1600mm以上(座席との距離2m未満は1200mm)の乗降口を設けること |
ステップ高さ | ステップ高さは最下段450mm以下、その他400mm以下であること | |
すべり止め | 乗降口の階段はすべり止めを施したものであること | |
乗降用取手 | 乗降口には乗降用取手を備えること | |
第50条 | 採光 | 客室は適当な採光が得られること |
室内照明灯 | 客室には適当な照明を備えること | |
運転者の側面窓 | 運転者席の側面窓は、幅、高さが270mm以上開放できること | |
乗降口寸法(直接座席) | 有効幅470mm以上、有効高さ900mm以上あること | |
座席の間隔 | 200mm以上あること | |
扉開放表示 | 扉開放方法を表示すること |
www.mlit.go.jp
◎構造変更検査に必要な書類の準備
構造等変更検査の手続きには「書類審査」と「実車検査」があります。下記の必要書類を事前に準備して運輸支局に提出し、書類審査に合格した後予約を取って、車を車検場に持ち込みます。これが実車検査になります。
【必要書類】 ①申請書 ②OCR申請書(第2号様) ③自動車検査証 ④自動車検査票 ⑤点検整備記録簿 ⑥自動車損害賠償責任保険(共済)証明書 ⑦使用者の委任状 ⑧所有者の委任状(構造等変更検査に伴い、型式、車台番号又は原動機の型式を変更する場合) ⑨委任事項(変更登録) ⑩手数料納付書 自動車検査登録印紙を貼付 自動車重量税納付書 重量税印紙を貼付 納税証明書 ⑪その他 保安適合基準を満たしている事を証明する書類 |
●構造変更の費用
作業内容・部品等 | 工賃(費用) |
事前審査書類作成及び提出 | 92,000円 |
用途変更及び移転登録費用 | 60,000円 |
保安基準確認及び点検整備 | 36,000円 |
登録印紙(非課税) | 3,650円 |
自動車税(非課税) | 10,400円 |
重量税(非課税) | 13,000円 |
自賠責保険(非課税) | 51,570円 |
ナンバープレート代金(非課税) | 1,450円 |
合計 | 268,070円 |
消費税 | 18,800円 |
総計 | 286,870円 |
●補足①<構造変更の基礎知識>
構造変更は「登録を受けている自動車について、車両の長さ、幅、高さ、乗車定員、最大積載量、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、用途、等に変更を生ずるような改造をした時は、使用者は使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等に自動車を提示して構造等変更検査を受けなければなりません。」と定められています。 これは道路運送車両法第67条を遵守しなさいと言う事です。
【道路運送車両法第67条第1項】 (自動車検査証記録事項の変更及び構造等変更検査) 自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があったときは、その事由があった日から15日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。 ↓ ただし、その効力を失っている自動車検査証については、これに変更記録を受けるべき時期は、当該自動車を使用しようとする時とする事ができる。 |
法律に関する単語って難しく感じますし、事実構造変更自体がまるでパズルの様な一面を持っています。「深堀すると沼」な構造変更について簡単にお伝えしたいと思います。
Ⓐ軽微な変更とは
自動車部品の取付けについて、軽微な変更となる場合は構造等変更に係わる諸手続きを平成7年11月22日から簡素化され、諸手続きが不要になりました。なお、軽微な変更となる自動車部品を装着した状態においても、道路運送車両の保安基準に適合している事が必要であり、ユーザの責任において管理しなければなりません。
【軽微な変更に該当する条件】
Ⓑ指定部品かどうか
身体障害者用操作装置、エア・バッグ、エアスポイラ・ルーバー・エアロパーツ類、けん引用トレーラ・ヒッチ、ショック・アブソーバ、ストラット式ショック・アブソーバ、マフラー、排気管、タイヤ、タイヤ・ホイール、ラック類、キャリア、エア・スポイラ、エア・ダム、グリル・ガード、ドア・プロテクタ、オーディオ類、ナビゲーションシステム、ルーフ・ラック、アンテナ、ラダー、トウバー 等
Ⓒ取付方法
取付方法 | 内 容 |
簡易的取付 | 工具などを使わず取付けできる(蝶ネジ等) |
固定的取付 | 工具などを使って取付けする(ボルト・ナット等) |
恒久的取付 | リベット・溶接による取付け |
Ⓓ一定範囲内について
項目 種別 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
小型自動車 軽自動車 | ±3㎝ | ±2㎝ | ±4㎝ | ±50㎏ |
普通自動車 大型特殊自動車 | ±3㎝ | ±2㎝ | ±4㎝ | ±100㎏ |
●補足②<構造変更の流れ>
上項では、構造等変更検査がどんな時に必要なのかについて起筆しました。では実際に弊社で「構造等変更検査」が必要なお車をお預かりした際にどの様な流れになるのか、お伝えしたいと思います。
【構造変更のご依頼を頂いてから納車まで】 ①お電話でお客様のご希望や、おおよその金額についてご相談 ↓ ②ベース車両のお預かり ↓ ③計画を立てる。日程や予算について細かなお話を進める ↓ ④構造変更に取り掛かる。実車の作業と書類の準備 ↓ ⑤構造変更検査の事前書面審査 ↓約1週間~10日かかる ⑥書面審査に合格後、実車検査の予約を取る ↓ ⑦実車検査で合格すると、新しい車検証・ナンバープレート・標章ステッカーが交付されます。 ↓ ⑧構造変更完了後、お客様に納車 |
普通自動車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会に赴く必要があります。普通自動車の場合は、車検証に記載されている「使用の本拠の位置」を管轄する運輸支局等で手続きする必要がありますが、大阪府内には、3つの運輸支局などがあります。
大阪運輸支局 | 豊中市、吹田市、池田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、寝屋川市、東大阪市、箕面市、門真市、摂津市、八尾市、大東市、四條畷市、交野市、豊能郡、三島郡 |
なにわ自動車検査登録事務所 | 大阪市全域 |
和泉自動車検査登録事務所 | 堺市、岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、河内長野市、松原市、和泉市、柏原市、羽曳野市、高石市、藤井寺市、泉南市、大阪狭山市、阪南市、泉北郡、泉南郡、南河内郡 |
今回のコミューターは、業務用として登録する必要がありましたので、単に座席数を取り外すだけではなく、業務用の構造要件に合う様準備する必要がありました。
業務用になると、「旅客自動車運送事業」に必要な保安基準に合う様構造変更が行われます。乗員の命を守る為にミスの無い確実な作業を実施する必要があります。構造変更は、実車の作業に加え書類関係の作業も膨大になります。ミスがあれば車検が通る事は無く、また出直しする事になりますので、お客様のご要望やご意向を何度も確認をしながら実車と事務手続きの両方を進めています。
お客様にとってお車の使い勝手が良くなる様に、門真の整備士が培ってきた経験とノウハウを最大限に活かして整備に取り掛かりたいと思っております。「8ナンバーにしたい」「乗車定員を変更したい」「オーバーフェンダーを取り付けたい」「工作車にしたい」「書類だけ手伝って欲しい」等構造変更に関するあらゆるご相談にお応えする事は勿論の事、整備・メンテナンス等お車に関するお困り事、何でもOKです。お客様のお車が常に適正な状態である事が大切です。車に関して万が一不安な気持ちや違和感をお持ちでしたら、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。お客様のご要望に沿い、且つ予算や日程、作業内容等、幅広く検討をした上でご提案をさせて頂きたいと思います。お車に関するご用命はどうぞ東伸自動車にご一報くださいませ
お車の構造変更は東伸自動車にお任せ下さい。
大阪の門真市近郊、守口市・大東市・寝屋川市にお住まいのお客様、お車の整備・故障修理は東伸自動車にお任せ下さい。
〒571-0044 大阪府門真市松生町6-21 有限会社東伸自動車 (担当:熊野・吉村まで) 電話:06-6916-3121 |