アイスと凍結防止剤の不思議な関係

 東伸NEWS第5号をご覧になって、当記事を閲覧して下さっている皆様、ありがとうございます。月に一回発行の東伸NEWSですが、弊社の日頃をお伝えすると共に、豆知識やちょっとしたクイズなど色々なジャンルの記事を掲載させて頂いております。

 今回は夏休み特集と題しまして、大人の方にもそしてお子様にも喜んで頂ける記事を掲載致しました。家族で過ごす夏の日のほんのひと時に、またお孫様とのふれあいにお役立ていただけましたら幸いです。

 まずは、東伸NEWS第5号に掲載致しました、「冷凍庫が無くてもアイスが出来る」!小学生も高学年(4年生頃)になると学校で「塩」の実験をして、秘密を知っているキッズもいるかも知れません!

 先に答えを言うと、「塩と氷で」で凝固点降下という現象を作り出す事で、冷凍庫が無くてもアイスを作るです。

 今回、東伸NEWS第5号に掲載した氷と塩の量は、氷が500gに塩が120gです。塩水は濃度が高くなると氷点効果が大きくなります。飽和溶液では、何と-21℃に迄達します。

 では早速、冷凍庫が無くても「牛乳と砂糖とバニラエッセンス」だけで本当にアイスが出来るのか実験してみたいと思います。

まず用意したもの…。

①氷が500g
 塩が120g(大さじ8)
 
 
 
 
この2つで、食塩濃度が約20%の食塩水が作る事が出来ます。
(食塩水の濃度)=(食塩の重さ)÷(食塩水の重さ)

 上記の通り準備した氷に塩をドバっと入れます。

 本来、氷は0℃で水に変わろうとします。これを融点と言います。反対に水から氷に変化する事を凝固と言います。この凝固する点を凝固点と言います。

氷は、周りからエネルギー(熱)をもらって水に変化します。氷は溶けきる迄は温度は変わりませんが、溶けきった後は、室温にどんどん近づいていきます。

 では、ここで氷に塩を入れたらどうなるでしょう?

 塩は溶ける時に周りから熱を奪います(=溶解熱)。ここで「吸熱反応」という化学反応が起こります。塩は氷からどんどんエネルギー(熱)を吸収して溶けていきます。

 氷はエネルギーを奪われていますので、どんどん温度が下がっていきますが塩が邪魔して凍る事が出来ません。どんどん「氷になる温度」が下がっていきます。これが凝固点降下です。塩分濃度が濃くなる程、凝固点降下は大きくなります。

 まさしく、上記の写真の氷はどんどん溶けて、そしてどんどん冷たくなっていったのです。そこに牛乳と砂糖とバニラエッセンスを入れたジップロック的な袋を氷の中に入れて…

 あとはこれを氷の中で、振ってみたり揉んでみたりを繰り返し…

 そんなに長い時間ではありません。ただ冷たい!素手で凝固点降下した氷水の中に手を突っ込んで、袋をもモミモミ~してたので、とんでもなく手が冷たくなって長時間の作業はとてもじゃないけど出来ません!それでもこれだけ凍るのですから、「塩と水」凄いですね!

 冷凍庫が無くてもアイスが出来る秘密!おわかり頂けたでしょうか。

 めちゃめちゃ美味しかったですよぉ~!牛乳と砂糖とバニラエッセンスだけでこんなに美味しいとは驚きです。今回は実験という事で、材料も最小限ですが、生クリームや卵黄をプラスすれば、もっと濃厚なアイスが冷凍庫無しで作る事が出来ます。

 是非、今年の夏休みはお子様と一緒にトライしてみて下さい。「ふしぎ~」「でも美味しい!」そして「つめた~い」と驚きながらも笑いあうキッズ達の姿で笑顔満点の夏休みになる事間違い無しですよ♪

 そしてもう一つの本題「アイスと凍結防止剤の不思議な関係」もう何となくお解り頂けたでしょうか。

 塩が氷を溶かしてしまう事、そして凍らない状態を保つ事が出来る事、凝固点降下の特性を生かして作られているのが凍結防止剤です。食べる事は出来ませんが(食用では無い為)凍結防止剤の成分は塩という事になります。寒冷地で自動車を利用すると凍結防止剤等で下廻りが塩害で錆びると言われるのはこの為です。最近ではこの塩害を防止する為に塩を使用せず尿素を利用した凍結防止剤もあります。

 凍結防止剤の他に融雪剤と呼ばれるものもあります。少しずつ特徴が違いますので、以下にまとめたいと思います。

凍結防止剤凍る温度を下げて(凝固点降下)道路等が凍りにくくする。
融雪剤熱を利用して雪を解かす。

 凍結防止剤や融雪剤に使用されている成分とその特徴

塩化ナトリウム
(凍結防止剤)
主成分は塩。
塩化ナトリウムの水溶液は、濃度26.4%(飽和水溶液)で凝固点が最大-21℃まで下がります。
あらかじめ散布する事で、凍結しづらくなりまた持続効果も高い。
塩化マグネシウム
(凍結防止剤)
主成分はにがり。環境にやさしい。
塩化マグネシウムの水溶液は、濃度により凝固点が最大-30℃まで下がります。特に吸湿性に優れており、凍結防止剤以外に、木材の防腐剤や防塵材としても使用されている。
塩化カルシウム
(融雪剤)
主成分は塩素とカルシウムの化合物。
水と反応して発熱する性質があり、雪を急速に溶かす効果があるので、凍結した道路への使用に適している。凍結温度を大幅に下げる効果があり、濃度32%で凝固点が最大-51℃迄下がります。厳寒地に適している。
吸水するとヌルヌルになり、スリップの恐れがある。

 また、この3種類の凍結防止剤・融雪剤の温度変化がよくわかるグラフがあります。

国土交通省「凍結防止剤に関する検討について」より
https://www.skr.mlit.go.jp/yongi/menu/summary/26-2gihou/img/11.pdf

 上のグラフは、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、そして塩化カルシウムがどの様に温度変化しているかがよくわかります。

 NaCl=塩化ナトリウム

 MgCl2=塩化マグネシウム

 CaCl2=塩化カルシウム

 お子様と一緒に実験をされる際に水温計があるといいのですが、無い場合はこの様なグラフをまとめに活用するのも有りかなと思います。

それでは皆様!素敵な夏休みをお過ごしください。

リンク:『まとめ用紙』はこちらからダウンロード出来ます!


【日時】 7月15日土曜日
     AM10:00からスタート

【場所】 大阪府門真市松生町6-21[map

京阪電車/大阪モノレール 門真市駅前の
イズミヤショッピングセンター門真店 様 1階の入り口にもこのチラシを設置させて頂いております。
お立ち寄りの際は、お手に取ってご覧ください!

※野菜市は8月以降も実施致します。

詳細はホームページに掲載致しますので、どうぞお気軽にお越しください。

〒571-0044
大阪府門真市松生町6-21

有限会社東伸自動車
(担当:熊野・吉村まで)

電話:06-6916-3121