【修理】日産 キャラバン プレミアム GX《 LDF》DPF警告灯点滅!DPF目詰まり!?|大阪府 門真市 整備

 今回お客様からお預かりしたお車は「日産 キャラバン プレミアムGX」です。商用利用が基本のキャラバンですが、このお車はNV350キャラバンの上級グレードとして誕生しました。限りなくワゴンに近い豪華な装備と、シートアレンジやリクライニング機能が多彩で、快適性には定評があります。お預かりしたキャラバンは5代目(2012年~)になりますので、ちょうど車名が「NV350キャラバン」に変更になった直後のお車になります。堂々としたスタイルと力強さを感じる外観にプラスして先進安全機能が搭載されたお車ですが、今回DPFチェックランプが点滅したとのご依頼で入庫致しましたのでまとめたいと思います。

メーカー・ブランド日産 キャラバン
プレミアムGX
型式LDF-VW6E26
エンジン
(パワートレイン)
YD25DDTi(ディーゼルターボエンジン)
使用燃料:軽油
年式・初年度登録2012年(5代目)
走行距離81100㎞

 DPFチェックランプ(警告灯)点滅。

 DPFの自動再生出来ず。

 診断機でエラーコードを確認した結果、排気ガス圧センサーの不具合と診断されました。センサーの不具合の原因としては、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の目詰まりを起因とするものや、センサー自体の故障、配管の詰まりやエンジンの不調も考えられます。

【DPFとは】

環境問題への取り組みの一環として、ディーゼルエンジンに対して排ガス規制(窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM))が始まりました。規制基準を満たさないディーゼル車両には乗り入れや走行に規制が設けられた為、大気中の粒子状物質(PM)を排気させない為のディーゼル微粒子捕集フィルター装置が開発されました。これがDPF(粒子状物質除去装置)です。DPFの働きにより排気ガスのクリーン化が達成されています。

DPFは粒子状物質を捕集して燃焼除去します。
DPF= Diesel Particulate Filterディーゼルパティキュレートフィルター

自動車メーカーによって、DPFの名称は少しずつ違いますが、一般的には「DPF」で通じます。

 DPF:三菱ふそう、日産、マツダ

 DPR:トヨタ、日野

 DPD:いすゞ

ちなみに、窒素酸化物(NOx)はDPFでは除去出来ません。その為アドブルー(尿素水)を使用して水とチッソの還元します(=SCR触媒)。

 DPFはPM(粒子状物質)をフィルターで捕集して、溜まったススを燃焼除去しています。これを一般的にDPF再生と言っています。しかし徐々に燃えカスが溜まりDPFに蓄積されていくと、DPF再生が正常に行われなくなり、DPFの目詰まりや異常高温、燃焼の悪化、エンジンの出力低下などの症状が現れます。

 ディーゼル車の場合、排気ガス圧センサーはDPFの前後に取り付けられています。なぜなら排気ガスがフィルターを通る時の圧力差を測定して、その情報をECU(エンジンコントロールユニット)に伝える役目を担っているからです。ECUはこの情報を元にエンジンにとって最適な燃焼を維持していますので、センサーが故障したという事は、ECUが適切な燃料噴射量を計算できず不具合の原因になっているという事になります。またDPF再生は、排気ガス圧の変化(排気差圧)をセンサーで検知して行われています。

排気差圧が低い ・・・ フィルターが詰まっておらず、スムーズに排気ガスが通っている。
排気差圧が高い ・・・ PMが蓄積されていて排気ガスの流れが悪い状態になっている。

 今回、排気ガス圧センサーに故障(不具合)が生じた事で、状況をモニター出来なくなり結果DPFに異常が生じたと思われます。

DPFに装着されている排気ガス圧センサーがモニターした情報を送る。

目詰まりが感知されたら、わざと燃料を濃い目に噴霧して排気温度を上げる

DPF内部のPMを焼き切る事で、目詰まりを解消する

センサーが故障したせいで排気温度が正しく測定されず、
適正な燃焼が出来ず(エンジン制御の誤作動等が起こる)、DPFの不具合につながった。

 実際にエンジンを始動してデータ(排気温度センサーの数値)を確認すると、排気温度が徐々にマイナス側に変化し、正確なデータを取得出来ない状態でした。

 排気ガス圧センサーと排気温センサーの交換。

作業内容・部品等工賃部品代
故障診断費用30,000円 
排気ガス圧センサー12,000円5,700円
排気温センサー 9,980円 
合計42,000円15,680円
消費税4,200円1,568円
総計63,448円
2025年8月現在

 修理前はセンサーが計測不能状態でしたが、新しいセンサーに交換してDPF再生を確認したところ、600℃付近まで上昇するのかモニターで確認出来ました。

 ディーゼル車とDPFは切っても切れない関係にあります。ディーゼルエンジンはガソリン車に比べるとススが発生しやすく、それが環境や人体に有害な影響を及ぼすと言われていました。その為ディーゼル車の排ガスをクリーンにして、環境や人体へのリスクを軽減させる為に誕生したのがDPFになります。

 通常DPF内のPMは自動燃焼されています。ドライバーの負担なくクリーンな状態を維持する仕組みになっていますが、特に短距離運転が多い車両は排気温度が十分に上がりきらない為、自動再生が不十分になってしまう事があります。これを繰り返すとDPFが目詰まりを起こし、フィルターの能率を低下させてしまいます。こうなると手動再生が必要になります 

【DPFの3種類の再生方法】
自動再生走行中、DPF内に一定の粒子状物質(PM)が溜まると自動で燃焼を開始します。走行中にエンジンの回転数が上がり、約15~20分走行を続けることでDPF再生は完了します。
手動再生チェックランプが点灯した際、一旦車を路肩に停めます。高回転でアイドリングを行い、インジケーターランプ、DPFボタンを押して手動再生を行います。
強制再生ドライバー自身で行う事は出来ません。整備工場やディーラーに車を持ち込み実施します。DPF内部を600℃まで上げて、粒子状物質(PM)等を燃焼させます。強制再生はDPF内部に大きな負担がかかる為、頻繁に実施するのはダメージに繋がります。

 手動再生も出来なくなると、残すは強制再生になりますが、これはドライバー自身で行う事が出来ません。車両のエンジン制御ユニット(ECU)にスキャンツールで強制再生する様、指示を出し排気温度を高温で維持してDPF内のPMを強制的に燃焼します。

 強制再生が必要になると、酷い場合にはエンジン出力が上がらず自走も困難になる事があります。そういう意味ではDPFに悩まされているドライバーさんは少なからずいらっしゃると思います。弊社にも多くのお問い合わせを頂戴しております。

 DPFの不具合の原因は様々で一概にこれ!と言い切る事は出来ません。実際にお車を拝見しなければ原因を特定する事は難しいのが実状です。もし、DPF警告灯が点灯した場合などは、長距離運転を試してみるのもひとつです。DPF内に蓄積されたPMを燃焼させる為には、「時速60㎞以上で30分以上の運転」が有効とされています。「60㎞以上で30分」実走する事で、エンジンが十分に暖まり、DPF内のススが燃焼されて、目詰まりが解消する事が出来るかもしれません。

 この様に、日頃から定期的な再生を試みる事はDPFにとってとても有意義メンテナンスの一つです。他にも蒸発量の少ないエンジンオイルやPMの生成量が少ないエンジンオイルを使用する事もDPFに優しい環境づくりになります。DPFクリーナー等添加剤を使用する事で、エンジンのパフォーマンスを向上させ、目詰まりを抑制する事も可能です。

 弊社ではDPFの問題にあらゆる面から対応致しておりますので、現在不便を感じている、心配事がある等、DPFに関するお悩み事がございましたらお気軽に東伸自動車までお問い合わせ下さい。

大阪の門真市近郊、守口市・大東市・寝屋川市にお住まいのお客様、お車の整備・故障修理は東伸自動車にお任せください。

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