【修理】《ホンダ クロスロード RT》ミラーの電動格納スイッチを押すとエアコンが止まる! |大阪府 門真市 整備

今回お客様からお預かりしたお車はホンダのクロスロードです。1980年代に入ってアウトドアを楽しむ人たちが増加すると共にRVブームが到来します。ホンダもこのRVブームを機にラインナップを拡充するべく販売をスタートさせたのがクロスロードでした。
当時提携していたローバー(Rover)からランドローバーディスカバリーのOEM供給を受けて販売したのが初代クロスロードになります。初代はエンブレム類を変えるなどしただけで中身はランドローバーディスカバリーそのものでした。
今回お預かりしたクロスロードは2代目クロスロードになります。実は2代目クロスロードは2010年には販売不振の為生産販売が中止になりました。当時は4年弱と言う短い歴史が偲ばれました。ところがここに来てクロスロードは再注目されています。
2代目クロスロードは、コンパクトなボディながら3列シートSUVでした。今ならミニバンとSUVの両方の要素を持っていると評価されるのでしょうが、当時はどうもユーザーに刺さらず短命に終わってしまった様です。ところが今になって、内装の良さや多彩なシートアレンジ、車中泊も可能なラゲッジルームにプラスして走行性や安全性などが評価され注目を浴びています。そんな2代目クロスロードのお修理を承りましたので、まとめたいと思います。
● お預かりしたお車
| メーカー・ブランド | ホンダ クロスロード Honda Crossroad |
| 型式 | DBA-RT1 |
| エンジン | R18A 1.8ℓ 直列4気筒SOHC i-VTEC |
| 年式・初年度登録 | 2008年 |
● 故障の症状
ミラーの電動格納スイッチを押すとエアコンが止まる。
● 故障個所の特定と診断
一般的にはエアコンシステムの故障か、電気系統の不具合を疑います。ただエアコンが冷えないまたは効かないと言う症状が発生している訳ではなく、また電動ファンなどの故障が原因でない事が確認出来ました。
エアコンが止まる=コンプレッサー?コンデンサー?マグネットクラッチ?となりますが、今回の場合はエアコンシステムの不具合は確認出来ませんでしたので、電気系統のどこかでショート(短絡)が起きているのではないかと思われます。
クロスロードのドアミラー自動格納装置は後付けタイプの為、この後付け配線がエアコンの電気系統に影響を与えたと思われます。基板上にある黒ずみや変色は過電流かもしくはスパーク痕と思われますので、スイッチ操作と連動して過電流が発生しショート(短絡)が起きたと思われます。
また保護樹脂は接点保護であったり静電・チャタリング防止の役目がありますが、経年劣化と熱により機器の誤動作やショートを招く事があります。樹脂の劣化は「スイッチをONした時短絡する間欠ショート」を招く原因になります。
エアコンに悪影響を与えたと言うよりも、エアコンと同じ電源系統を使用していたため、とばっちりを受けたと言う表現になるかと思います。ただ後付け配線だけが悪いのかと言うとそういう事では無く、スイッチ基板の劣化も今回のトラブルの原因と診断する事が出来ます。

| 原因は電動格納スイッチ内部の基板のショート 後付け配線がエアコン系(ACC系統)と直結・共用されていた為 | |
| 電源の取り方 | ACC電源 IG電源 常時電源(ヒューズBOX分岐) |
| 制御信号 | ドアロック信号 キーレス信号 ミラースイッチ信号に割り込み |
| ミラー格納スイッチを押す ↓ 後付け格納回路が動作 ↓ 内部でショートが起きる(スイッチ or 後付けユニット) ↓ ACCヒューズ飛ぶ ↓ 同じACCにいるエアコン制御もアウト! (配線上同じ系統にある証拠) | |
ミラースイッチの基板は「操作・入力系」基板になりますので、基本設計は「接点を切り替えるだけ」「電圧は5V~12V(信号)」「電流はミリアンペアレベル」になります。そこに後付け自動格納ユニットにより、モーター駆動系の電流が逆流し、接点が焼損したり、内部短絡等が起きた。

● 故障修理の内容と費用
本来なら、ミラースイッチAssy交換と言うのが定石ですが、Assy交換したくても今回は絶版になっていて部品交換出来ないと言う事が判明いたしました。
そこで今回は、門真の整備士がミラースイッチの基板を修理する事になりました!!
まずは分解しまして基板を取り出し、無水アルコールで徹底洗浄します。焼けた部分などは軽く研磨をかけておきます。次に常時電源(ヒューズ付き)を新設し、30Aリレーを追加します。
ACC電源
├─ エアコン(純正そのまま)
└─ リレー(新設)
├─ 常時電源(モーター用)
└─ 後付け格納ユニット
ミラースイッチ
└─ リレーの制御信号のみ(微電流)
ミラースイッチは信号だけ扱うようにする事で再発防止になります。
| 作業内容・部品等 | 工賃 | 部品代 |
|---|---|---|
| 故障診断 | 30,000円 | |
| 基板修繕 配線修繕 | 30,000円 | |
| 小計 | 60,000円 | |
| 消費税 | 6,000円 | |
| 総計 | 66,000円 | |
● 修理後の様子
修理後はエアコン操作も問題無く作動したしました。
●まとめ
今回お修理させて頂いた基板は「ミラースイッチ基板」と言います。主に自動車のドアミラー操作のためのスイッチ内部にある電子回路基板の事を指しています。スイッチが操作されると信号が送られて、ミラーの格納や角度調整など電動ドアミラーの機能をコントロールしています。
今回の様な構造上の問題+劣化と言う原因以外にも、ゴミやホコリが原因になって電気的な接触が悪くなる(接触不良)事もありますし、腐食や断線が原因になる事もあります。
実際自動車の中は基板だらけです。軽自動車で30~50枚以上、普通車で50~100枚以上、ハイブリッド車になると100枚を超える基板が使用されています。そのほとんどがドライバーからは見えない所にある為、ある日突然「あれっ⁉動かないぞ」と言う事になります。そして基板は、振動や温度差、湿気、結露、静電気、サージ電圧などとても過酷な環境下にあります。それ故にギリギリの設計になると共に必要以上の余裕は持ち合わせていません。今回の故障も本来信号用(微電流)として設計されてあるところに駆動電力が流れた事が本質にあります。基板にもそれぞれ役割分担がありますが、とは言えこの手の故障や不具合は実際に開けて中を見て見なければわかりません。
特に今回の様に、絶版部品で不具合が発生した時にはASSY交換と言う修理の定石が打てません。純正部品・リビルト品での対応が不可能な場合は、オーバーホール点検や修理と言う方法もございます。もし同様の不具合等ございましたら、東伸自動車までお気軽にお問い合わせ下さい。
大阪の門真市近郊、守口市・大東市・寝屋川市にお住まいのお客様、お車の整備・故障修理は東伸自動車にお任せください。

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