トヨタ《ダイナ》 エンジンチェックランプとDPF(DPR)ランプが点灯!!原因を門真の整備士がスピーディーに解決!!

 今回お客様からお預かりしたお車はトヨタの「ダイナ」です。ダイナは小型及び中型トラックになりますが、普通免許で運転出来る1tクラスから4tクラスまでラインナップがあります。

※現在、4tトラックを運転する為には中型免許が必要ですが、2007年6月1日までに普通自動車免許を取得したドライバーであれば、4tトラックを運転する事が可能です。

 ダイナは1956年に発売されて以来、現在国内トップのシェアを誇っています。ちなみに日野自動車のデュトロは同型モデルになります。

 ダイナの特徴は何と言ってもダブルキャブです。荷物だけではなく人員も一緒に目的地まで移動する事が出来るので、これ一台で総合的に集約可能で、結果業務効率の向上を図る事が出来るという優れモノです。しかもしっかり積載量も確保されています。今回お預かりしたダイナは2011年に発売が開始された8代目になりますが、ハイブリッド車が登場する等、まだまだダイナの進化は続いている様です。

 トラックは、日本の基幹産業を担い全国を走り回ってくれています。私たちの生活と経済を支えてくれ、まさにライフラインと言って過言ではありません。そんなトラック(ダイナ)が、今回エンジンチェックランプとDPFランプが点灯(DPF異常)したとのご依頼で入庫致しましたので、まとめたいと思います。

メーカー・ブランドTOYOTA DYNA
トヨタ ダイナ
型式LDF-KDY281
エンジン
(パワートレイン)
1KD-FTV(ディーゼルエンジン)
使用燃料:軽油
最高出力:106KW/3400rpm
最大トルク:300Nm/1200~3200rpm
年式・初年度登録2019年
走行距離130173㎞

 エンジン警告灯とDPF警告灯(DPTウォーニングライト)が同時点灯。強制再生出来ない状態で入庫。

 走行中に同時点灯したとの事でしたので、早急に入庫して頂きました。DPF警告灯は点灯になる前は点滅していたはずですが、点灯になってしまった場合もしこのまま走行を継続すると、出力制限がかかり、最悪の場合自走不能になったり、DPFに今以上のダメージを与える事になりかねません。

【DPFランプが点滅した時】

点滅してから約50㎞は走行可能ですが、出来るだけ早く車両を路肩など安全なところに停車させて、DPFの手動再生をしなければいけません。手動再生をしなかった場合「点滅」から「点灯」に変わります。

※手動再生・・・高回転でアイドリングを行い、インジケーターランプ、DPFボタンを押して手動再生を実施します。

【DPFランプが点灯した時】

点灯に変わると、エンジンに制御がかかり(今以上の破損させない為に制御がかかる)、速度が40~50㎞/h程度しか出なくなります。この状態になると、ドライバー自身で解除する事は出来ません。

※点灯=強制再生が必要・・・ドライバー自身で実施する事は出来ません。整備工場やディーラーに車を持ち込んで実施してもらう必要があります。

 お客様のお話しでは、エンジンチェックランプとDPF警告灯が点灯した後、速度が出なくなったとの事。

 DPF警告灯だけなら、ススが詰まったんだなぁ~と診断出来ますが、エンジンチェックランプとDPF警告灯の2つが同時に点灯したという事は、ススが詰まっただけではなく排気も上手くいっていないだろうと推認出来ます。もちろん手動再生も出来ません。

 エンジンチェックランプが点灯している状態では強制再生出来ない為、バッテリーターミナルを一旦外して強制再生を行ってみます。

 DPFを再生させる為の燃焼には540℃程度を維持しながら600℃以上に上げていきます。160℃程度にしかなりませんので、焼き切れるはずがありません。不完全燃焼(=過堆積)になっていると思われます。

 エンジンチェックランプとDPF警告灯の同時点灯にDPFの燃焼温度が上がらないと言う状況から考えられる原因は、燃焼用インジェクターの汚れや詰り、排気シャッターバルブや各種センサーの故障、他にはDPFの詰まりが起因になり排気が上手くいっていない等です。可能性の高い順番で点検していきます。

作業内容・部品等工賃部品代
故障診断料16,000円
DPF強制再生30,000円
DPFクリーナー2,000円10,000円
交換部品8,000円1,930円
LLC入替え6,000円2,500円
合計62,000円14,430円
消費税6,200円1,443円
総計84,073円
2025年3月現在

 最後にDPFクリーナーを注入して試走します。

 DPFクリーナー(燃料系添加材)には強力な洗浄作用がありますので、DPFやセンサー、燃料インジェクターに燃料室等、他にも排気システム(触媒コンバーター、エキゾーストマニホールド、バルブ等)を直接洗浄してくれます。それぞれのパーツが本来の機能を取り戻しますので、警告灯が点灯するのを防いでくれます。添加後、車を走行させると、DPFクリーンが燃料系全体に浸透していきます。

 部品を交換後、温度をチェックしたところ、650℃以上に上昇し、問題無くPM強制再生が実施された事が確認出来ました。

 DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるススを燃焼・除去してくれる装置です。DPFに堆積したススは通常、運転中に自動的に燃焼されますが、日本の道路の多くは停止と発進を繰り返すストップ・アンド・ゴーという走行状態にあります。その為ススを燃焼させるのに必要なエンジン回転数を維持出来ません。

 短時間走行や短距離走行を繰り返すと、エンジンの回転数が上がりませんので(維持出来ませんので)、排気ガスの温度も上がりきりません。排気ガスの温度が上がらないという事は、DPFフィルターの自動再生が出来ず、マフラーに粒子状物質(PM)が溜まり、結果としてフィルターの目詰まりを起こしやすい状態になると言う事です。

 高速道路などを利用した際に、エンジンの回転数を上げて排気温度を高温にすると、スス等を焼き切ってくれます。この燃焼はDPFの再生にとってとても大切なプロセスですので、高速道路を利用される際に少し意識すると良いのではないでしょうか。他にも粒子状物質(PM)の少ないエンジンオイルを選ぶ、エンジンオイルの交換サイクルを少し早めにすると言った対策も予防になります。

 DPFは環境保護や法規制の元、重要な役割を担っています。ただそれは環境に悪いから、法律を守らないといけないからと言うだけではなく、DPFが装着されている事で、エンジンをクリーンな状態に維持してくれます。そうする事でエンジン本来の能力を発揮し、燃費を向上させてくれる大切な装備になります。

 DPFランプが点灯すると、DPFそのものの故障だけではなく、他のパーツにまで悪影響が及ぶ可能性があります。DPFの異常を放置すると取り返しのつかない故障(修理費)に繋がる恐れがありますが、普段からメンテナンス等で事前に対策を取る事でDPFを長持ちさせる事ももちろん可能です。先程も起筆した様に運転中の再生を意識する、専用クリーナーを利用して内部の汚れを除去する等、点滅(点灯)する前に出来る事があります。またエンジンのパワーダウンや燃費の悪化を感じられたらそれは車からのサインです。出来るだけ早く対処される事をおススメいたします。

 もしお車の事でお困り事がございましたら、お気軽に東伸自動車までお問い合わせ下さい。経験豊富な門真の整備士がお客様のお車を拝見いたします。なお、お修理はお客様に症状とおおよその費用(修理費)についてご説明をさせて頂いた上で承っておりますので、安心してお問い合わせ下さい。

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