日産 エルグランド《E52》250ハイウェイスターS ミッション加速時の振動!変速不良!ミッション交換!門真の整備士が修理・解決!!

今回お客様からお預かりしたお車は「日産 エルグランド」です。ラグジュアリーな内装と広く快適な車内空間はファミリー層だけではなく、ビジネス利用にも人気のお車です。1997年に発売され、高級ミニバンの元祖としてまた、日産のフラッグシップモデル車として位置づけられています。
1990年代はミニバンの市場シェアが伸びていた時期でもあったので、豪華でパワフルなエルグランドは高い人気を誇りました。今回お預かりしたお車は3代目になりますが、低重心設計のエルグランドの走りはアルファードやベルファイアを凌ぐとも言われています。ワイド&ローの車体は空力性能が向上し横風を受けても安定した走りを可能にしていますし、CVT(無段階で変速を行う)なので加速と減速を繰り返す街乗り等ではストレスフリーで快適な運転が可能です。そんな高い人気を誇るエルグランド(E52型)が加速しない等の不具合で入庫しましたのでまとめたいと思います。
● お預かりしたお車
メーカー・ブランド | 日産 エルグランド 250ハイウェイスターS |
型式 | DBA-TE25 |
エンジン | QR25DE |
年式・初年度登録 | 2016年 |
走行距離 | 126654㎞ |
● 故障の症状
30~40キロの辺りで違和感が発生。加速の途中で微振動、引っ掛かりの様な違和感があります。更にアクセルを踏み込むと収まる。
● 故障個所の特定と診断
バルブボディ(油圧異常)かミッション本体の不具合が考えられます。エルグランドはCVT(ATの一種で無段変速機の事)なので、変速時もスムーズで、加速時の変速ショックは起こらないのが通常です。
CVTコントロールバルブは変速の油圧を調整する役目を担っていますので、コントロールバルブに不具合が起こると変速不良・シフトショック等が起こります。
ミッション本体に不具合が考えられる場合は、加速時のギア制御が上手くいかず、加速不良やエンジン回転数が上昇しても加速しないなど、本来あるはずの無い症状(ショック)が発生します。酷い場合には走行不能に陥る事があります。
原因もそれぞれに摩耗や損傷、汚れ等様々考えられますが、特にミッションは機械的なパーツで構成されており精密機械と言って過言ではありません。その為CVTユニット全体のどこに問題があるのか特定するのは非常に困難で、一定のレベルを超えた症状が出ている場合には修理は不可能となります。
お客様にすれば「そんな事言わず特定してよ!」と思われるかも知れません。しかしCVTユニットは非常に複雑で分解は困難な為、分解修理を行う為には専門と設備と時間が必要になります。そうなればCVT本体を交換するよりも高額になる事は明らかですので、通常は総取り換え(アッセンブリー交換)をおススメしています。
もちろんこれはCVT本体に原因がある場合であって、CVT本体以外に原因がある場合は門真の整備士が責任を持って原因を特定し、作業内容そして費用(見積り)をお伝えすると共に、きちんとお修理させていただきます。
【CVT本体(内部】以外が原因の例】 ・CVTを制御しているコンピュータ―(プログラム)が原因になっている。 ・CVTの各センサー類の故障 ・オイル(フルード)漏れ、オイルストレーナーの詰まり など |
上記の様にCVT本体以外に故障の原因がある場合は、通常の修理対応が可能です。コンピュータ―(プログラム)が原因の場合はコンピューターを交換するか、プログラミングの書き換えする事で対応可能です。各センサーに不具合があって影響を与えている場合は診断機(テスター)で判断した後、該当センサーを交換する事で修理が可能です。
ですが、どこに原因があって症状が出ているのかを判断するのは容易ではありませんし、不具合の兆しを視認する事はまず無理ですので、以下の様な症状が出た時は、すぐにディーラーや整備工場等で見てもらう事をお勧め致します。
CVTが故障した時の症状の一部を以下に起筆致します。但し症状は「原因が何か」によって変わりますので参考程度にご覧頂けたらと思います。
【CVT故障の症状例】 ・アクセルを踏んでもいつも通り加速しない。 ・シフト操作時に変速ショックを感じる。 ・エンジン回転数は上がるが加速しない(空吹かしの様な状態)。 ・シフト操作していないのに加減速が起こるまたはシフトが切り替わらない。 ・走行中に停まってしまう。 ・異音や振動がある。 ・クリープがいつもと違う。 ・ジャダー現象(振動など)が起きる。 ・燃費が悪くなる。 ・エンジンチェックランプが点灯する。 等 |
● 故障修理の内容と費用
トランスミッション一式の交換になります。バッテリー、カバー類、配線など全て外して、エンジンを降ろしていきます。


CVTとエンジンを分離します。かなりの重さなので整備士二人がかりです(汗)
リビルト品を合体させたら車に積んでいきます。その後はデータを消去・初期化及びECUのリセットを行います。CVTとエンジンがきちんと連携しているか確認が出来たら、CVTフルードの補充、冷却水のエア抜きなどを行い、試運転で問題が解決しているか確認します。
作業内容・部品等 | 工賃 | 部品代 |
ミッション交換(リビルト) | 99,000円 | 448,000円 |
CVTオイル | 10,000円 | |
冷却水 | 5,400円 | |
クーラーガス | 5,000円 | |
診断機による初期設定 | 12,000円 | |
合計 | 111,000円 | 468,400円 |
消費税 | 11,100円 | 46,840円 |
総計 | 637,340円 |
2024年5月現在
●修理後の様子
CVT乗せ替え前の微振動などは無く、試走では快適な走行が戻りました。良好です!
●まとめ
CVT(Continuous Variable Transmissionの略)は、日本語では「無断変速機」や「連続可変トランスミッション」と呼ばれています。
【CVT】 Continuously(コンティニュアスリー):連続、継続 Variable(バリアブル) :変化する Transmission(トランスミッション) :変速機 |
オートマ車(AT車)と同じく、アクセルペダルとブレーキペダルで運転操作を行いますが、ギア段の構想が無く2つのプーリー(滑車)とベルトの組み合わせで連続的に変速しています。またCVTはこのベルトを介してエンジンの動力を効率よくタイヤに伝えています(=無段変速)。
CVT車の特長は何と言っても滑らかな走行で、ストップ&ゴーが多い街乗りでは特にストレス軽減とスムーズな走行を実感する事が出来ます。それだけにトランスミッション(CVT)に不具合・故障が起こると、変速時にショックが発生し乗り心地が悪く感じられます。
「故障箇所の特定と診断」の項でも起筆致しました、コンピュータ(プログラム)・センサー類・フルード関係と言った個別対応出来る不具合から、ミッションそのものを交換しなければいけない大規模な症状まで、不具合の状態は様々です。ただでさえCVT周辺は手間が多くかかりますし、排気量が大きい車ほど変速機が大きく重くなりますので、作業もハードになります。それはイコール修理費用も高くなってしまう事を意味しています。「大したことないだろう」と放置する事で、当初は異常が無かったCVT本体を痛める事もありますので、異常や不具合を感じられた場合は、早めに対応される事をお勧め致します。
弊社では修理費用を出来るだけ節減出来る様に、リビルト品(車両から取り外した中古のパーツを新品に近い状態にオーバーホールしたもの)を使用し、お見積りさせて頂いております。リビルト品は中古品とは違い、きちんとメンテナンス(オーバーホール)されていますので、保証が付いております。保証の無い中古品より断然お客様に安心してカーライフを過ごして頂けると思っております。
お客様のご負担と不安を軽減出来る整備・メンテナンスが東伸自動車にはございます。お車の事でご不安や心配事またはお困り事などございましたらお気軽に東伸自動車までお問い合わせ下さい。
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