【構造変更】 ハイエース・コミューター GL《GDH/TRH》14人乗りから10人乗りへ乗車定員変更!2ナンバーから3ナンバーに構造変更!! 普通免許での運転OK!! 大阪府門真市の整備工場!

今回お客様からお預かりしたのはトヨタの「ハイエース コミューター」です。コミューターは通常14人乗りになりますので、「中型免許」が必要になります。
2007年に免許制度の変更(改正道路交通法の施行)があり、新たに中型免許・中型第二種免許・中型仮免許が新設されました。改正法施工前に普通免許を取得しているドライバーには既得権がありますので運転出来る自動車の範囲は変わりません(中型8t限定免許)が、改正法以降にコミューターを運転しようと思うと中型免許が必要になります。その為乗車定員を14人から10人に構造変更する事で、普通免許でも運転出来る様にしたいと言うのが今回のご依頼になります。
なお、2017年には準中型自動車免許が新設されましたので、参考として以下に運転出来る自動車の制限を起筆致します。
運転免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
---|---|---|---|
普通免許 | 3.5t未満 | 2t未満 | 10人以下 |
準中型免許 | 3.5t以上7.5t未満 | 2t以上4.5t未満 | 10人以下 |
中型免許 | 7.5t以上11t未満 | 4.5t以上6.5t未満 | 11人以上29人以下 |
大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 | 30人以上 |
● 今回お預かりしたお車
メーカー・ブランド | トヨタ ハイエース コミューターGL |
型式 | 3DF-GDH223B |
年式・初年度登録 | 2024年 |
コミューターのグレードには「GL」と「DX」がありますが、全てのタイプが「スーパーロング×ワイド×ハイルーフ」になります。またコミューターのエンジンは、ガソリンとディーゼルの両方が設定されていますので、ディーゼルタイプなら低燃費で経済的と言うメリットがあります。
大型バスと違って小回りが効きますので(コミューターの回転半径は6.1m)、都会の道でも狭い山道でも運転しやすく取り回しが良いのが特長です。その為送迎やロケバス、ベース車など幅広い分野で利用されています。利用出来る駐車場が多い、費用が抑えられる等のメリットもあります。
● 構造変更とは
構造変更とは「登録を受けている自動車について、車両の長さ・幅・高さ・乗車定員・最大積載量・車体の形状・原動機の型式・燃料の種類・用途等に変更が生ずる様な改造を行った時は、使用者は使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等に自動車を提示して構造等変更検査を受けなければなりません。」と定められています。
【道路運送車両法第67条第1項】
(自動車検査証記録事項の変更及び構造等変更検査)
自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があったときは、その事由があった日から15日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。
ただし、その効力を失っている自動車検査証については、これに変更記録を受けるべき時期は、当該自動車を使用しようとする時とする事ができる。
法律に関する単語を耳にすると難しく感じますし、実際に構造変更はまるでなぞなぞ合わせの様な側面があります。「深堀すると沼」の様な構造変更について簡単にお伝えしたいと思います。

Ⓐ軽微な変更とは
自動車部品の取付けについて、「軽微な変更」の場合は構造等変更に係わる諸手続きが簡素化され、1995(平成7)年から諸手続きが不要になりました。なお、軽微な変更となる自動車部品を装着した状態においても、道路運送車両の保安基準に適合している事が必要であり、ユーザの責任において管理しなければなりません。
【軽微な変更に該当する条件】
Ⓑ指定部品かどうか
身体障害者用操作装置・エアバッグ・エアスポイラ・ルーバー・エアロパーツ類・けん引用トレーラー・ヒッチ・ショックアブソーバー・ストラット式ショックアブソーバー・マフラー・排気管・タイヤ・タイヤホイール・ラック類・キャリア・エアスポイラー・エアダム・グリルガード・ドアプロテクター・オーディオ類・ナビゲーションシステム・ルーフラック・アンテナ・ラダー・トウバー等
Ⓒ取付け方法
取付け方法 | 内容 |
---|---|
簡易的取付け | 工具などを使わず取付けできる(蝶ネジ等) |
固定的取付け | 工具などを使って取付けする(ボルト・ナット等) |
恒久的取付け | リベット・溶接による取付け |
Ⓓ一定範囲内について
種別 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|
小型自動車 軽自動車 | ±3㎝ | ±2㎝ | ±4㎝ | ±50㎏ |
普通自動車 大型特殊自動車 | ±3㎝ | ±2㎝ | ±4㎝ | ±100㎏ |
● 構造変更の内容(ご依頼内容)
◎14人→10人への乗車定員数変更(減員登録)
◎定員変更に伴う用途変更 乗合から乗用へ
コミューター | ⇒ | 構造変更すると | |
用 途 | 送迎(乗合) | 乗用 | |
定 員 | 14人 | 10人 | |
免許の種類 | 中型免許(8t限定解除)以上 | 普通免許 | |
ナンバープレートの分類 | 2ナンバー | 3ナンバー |
● 今回構造変更する事で得られるメリット
◎ 普通免許で運転可能(14人乗合の場合は中型免許以上が必要)
◎ 荷室が広くなる
◎ 2ナンバーから3ナンバーになるので車検が1年毎から2年毎になる。
◎ 自賠責保険が安くなる。(逆に自動車税は高くなるのでデメリット)
● 構造変更の作業
◎最後尾の4席を取り外す。

最後尾の座席を取り外した事で、荷室にかなりの余裕が出来ました。GLは元々最後列のシートを両サイドに跳ね上げて格納し、収納スペースを確保する事が出来るタイプになりますが、どうしても両サイドのスペースを取られてしまいます。今回最後列を取り外す事で更に荷物をたくさん積み込む事が出来る様になりました。
重要な事は、最後列の座席を外した事で乗合から乗用になりましたので、「乗用自動車の安全基準の内容」を満たす必要があると言う点です。
◎シートベルト等乗車10人以下の乗用車基準をクリアしている事を確認。乗用自動車の安全基準は以下の通りです。
【乗用自動車の安全基準の内容】
①排ガス測定の技術基準 「保安基準第31条」
②衝撃吸収式舵取り装置の技術基準 「保安基準第11条第2項」
③施錠装置の技術基準 「保安基準第11条の2第2項関係」
④乗用車の制動装置の技術基準 「保安基準第12条第2項関係」
⑤アンチロックブレーキシステムの技術基準「保安基準第12条第1項」
⑥衝突時における燃料漏れ防止の技術基準 「保安基準第15条関係」
⑦前面衝突の乗員保護の技術基準 「保安基準第18条第2項関係」
⑧側面衝突時の乗員保護の技術基準 「保安基準第18条第3項関係」
⑨内装材料の難燃性の技術基準 「保安基準第20条第4項関係」
⑩インストルメントパネルの衝撃吸収の技術基準 「保安基準第20条第5項関係」
⑪座席及び座席取付け装置の技術基準 「保安基準第20条第6項関係」
⑫シートバック後面の衝撃吸収の技術基準 「保安基準第22条第7項関係」
⑬頭部後傾抑止装置の技術基準 「保安基準第22条第4項関係」
⑭座席ベルト取付け装置の技術基準 「保安基準第22条の3第2項関係」
⑮運転者席の座席ベルトの非装着時警報装置の技術基準 「保安基準第22条の3第4項関係」
⑯外装の技術基準等 「保安基準第18条第1項第3号関係」
◎構造変更検査に必要な書類の準備
構造等変更検査の手続きには「書類審査」と「実車検査」があります。必要書類を事前に準備をして運輸支局に提出します。書類審査に合格後実車検査の為に予約を取り、車を車検場に持ち込みます。
【必要書類】
①申請書
②OCR申請書(第2号様)
③自動車検査証
④自動車検査票
⑤点検整備記録簿
⑥自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
⑦使用者の委任状
⑧所有者の委任状(構造等変更検査に伴い、型式、車台番号又は原動機の型式を変更する場合)
⑨委任事項(変更登録)
⑩手数料納付書 自動車検査登録印紙を貼付
自動車重量税納付書
重量税印紙を貼付
納税証明書
⑪その他 保安適合基準を満たしている事を証明する書類
● 構造変更の費用(ハイエース コミューターを14人乗りから10人乗りに構造変更した場合)
作業内容・部品等 | 工賃(費用) |
---|---|
事前審査書類作成及び提出 | 100,000円 |
用途変更及び移転登録費用 | 65,535円 |
保安基準確認及び点検整備 | 36,000円 |
リアシート取り外し改造工賃 | 36,000円 |
登録印紙及び構造変更検査印紙(非課税) | 2,600円 |
ETCセットアップ | 5,000円 |
自動車重量税(非課税) | 41,000円 |
自賠責保険(非課税) | 18,160円 |
ナンバープレート代金(非課税) | 1,450円 |
合計 | 305,745円 |
消費税 | 24,253円 |
総計 | 329,998円 |
●構造変更の流れ
実際に弊社でお車をお預かりした後の流れについてお伝えしたいと思います。
【構造変更のご依頼を頂いてから納車まで】
①お電話でお客様のご希望等をお伺いし、おおよその金額(費用)についてご提示させていただきます。
↓
②ベース車両のお預かり
↓
③計画を立てる。日程や予算について細かなお話を進める
↓
④構造変更に取り掛かる。実車の作業と書類の準備
↓ 約1週間~10日かかる。
⑤構造変更検査の事前書面審査
↓
⑥書面審査に合格後、実車検査の予約を取る。
↓
⑦構造変更検査の実車検査
↓
⑧実車検査で合格すると、新しい車検証・ナンバープレート・標章ステッカーが交付されます。
↓
⑧構造変更完了後、お客様に納車
●まとめ
構造変更は、お客様のご希望やご要望を具現化する事の出来るシステムですが、手続きをしなければそれは単なる違法改造車になってしまいます。そのままでは公道を運転する事は出来ません。希望する通りの車に乗れると言っても面倒が伴うのも構造変更です。
構造変更を進める際にはまず実車の作業を行いますが、書類関係の作業も併行して進めます。ミスがあれば車検に通る事は無く、また改めて出直す事になります。その為膨大な書類と構造変更に係わる資料を、お客様のご要望やご意向に併せて準備させていただきます。
「8ナンバーにしたい」「乗車定員を変更したい」「オーバーフェンダーを取り付けたい」「工作車にしたい」「書類だけ手伝って欲しい」等構造変更に関するご希望は多種多様ですが、門真の整備士がこれまでに培ってきた経験とノウハウを、最大限に活かして構造変更に取り掛かります。
もちろん構造変更のみならずお車に関するあらゆるご相談を承っております。お車に関するご用命はどうぞ東伸自動車までお気軽にお問い合わせください。
大阪の門真市近郊、守口市・大東市・寝屋川市にお住まいのお客様、お車の整備・故障修理は東伸自動車にお任せください。

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