カーエアコンのクリーニング『フラッシング』でエアコンが冷える!!エアコンシステム回路内の鉄粉除去で修理費用を削減!!
夏になると「エアコンが効かない」「冷えない」と言うお問合せが増加します。症状として多いのはガス不足等ですが、中にはコンプレッサーに何らかの異常が生じてエアコンが使用出来ない、調子が悪いと言うケースがあります。
今回入庫したお車もコンプレッサー異常と診断されました。「コンプレッサーを交換しないとダメって言われるけど何で?」と疑問をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。今回はコンプレッサー交換を必要とする修理の原因と、カーエアコンのメンテナンスについて起筆したいと思います。
メンテナンスは、コンプレッサーを初めとするシステム全体の寿命を大きく左右します。カーエアコンクリーニングが、予防保全になる事も併記したいと思います。
●コンプレッサーとは
車のエンジンルームの中には、バッテリーやウォッシャータンク等、様々な部品が所狭しと収まっています。コンプレッサーもエンジンルームの中にあって、快適な車内空間を作り出す為に頑張ってくれています。
コンプレッサーは「空気圧縮機」とも呼ばれ、気体を圧縮して高圧の気体を連続的に送り出す装置です。
コンプレッサーが冷媒と呼ばれるエアコンガスを圧縮し高温・高圧(半液化)にするのですが、ココこそがエアコンシステムが冷風を作り出すスタート地点になります。
コンプレッサーは、車の中だけでは無く、工場等の機械駆動にも使われています。他にも電車のドアの開閉や冷蔵庫等にも使用されています。
コンプレッサー → Compress=圧縮する |
●コンプレッサーはどうして故障する?
コンプレッサー本体が機械ですので、消耗が進み(寿命で)内部に異常が発生する事があります。ファンベルトを通じてエンジンに直接つながっている為、振動などが原因で亀裂が入る事もあります。また内部にゴミが入り込んでしまう、オイル不足などもコンプレッサー本体を痛める(焼き付け)原因になります。
コンプレッサー本体の寿命にプラスして、ホースの繋ぎ目や接続部の劣化が原因になる事もあります。劣化した部分から冷媒ガスやエアコンオイルの漏れに繋がるからです。他にも電磁クラッチのスイッチやヒューズ、リレー等間接的な部品や補助骨材が原因でコンプレッサーに動力が伝わらないという事もあります。
コンプレッサーが回っているか、回っていないかで原因の特定も、必要な修理も変わってきますが、エアコンシステムは様々なパーツで成り立っており、それらが互いに繋がって一連の動作を可能にしています。「エアコン調子悪いな」と感じた時、コンプレッサーが起因(寿命)になっている事ももちろんありますし、他の事が起因になってコンプレッサーを痛める事もあります。ボンネットと言う狭小空間に収まっているカーエアコンシステムの不具合を特定するのは実のところ容易ではありません。「寿命が来ました」とコンプレッサーが教えてくれるといいのですが、「しんどい」サインは出してくれません。専門家(整備士)でないと、特定は難しいのがエアコンシステムのトラブルの現状です。
コンプレッサーのライフサイクル(寿命)を延ばすには、まず「定期的に使用する」事が一番です。潤滑油(コンプレッサーオイル)はその93%をコンプレッサーの内部潤滑に使用しています。例えば秋から春にかけて、エアコンを使用しない時期は潤滑油(冷媒ガス)もシステム内を循環しません。その結果「固まった」状態になってしまいます。長期間使用しない間に潤滑作用が低下して、摩擦が大きくなってしまうからです。摩擦が大きくなると、部品同士がこすれて、結果金属粉(鉄粉)が出る。という悪循環がスタートしてしまいます。
コンプレッサーのライフサイクルを延ばす為には定期的に使用する事(オイルをシステム内に回してあげる事)と、そして定期的なメンテナンスが大切になります。
よくあるコンプレッサーの不具合 | |
亀裂 | ファンベルトを通じて常にエンジンの振動が伝わるので、大なり小なり亀裂が生じる。そこからエアコンガスが漏れる事もコンプレッサーにダメージを与える。 |
詰まり | 冷媒ガスの通り道(システムない)にゴミや不純物(鉄粉)等が入り込んで詰りの原因になる。 |
焼き付け | コンプレッサーオイルの不足=潤滑不足で焼き付けを起こす。→鉄粉が出る。 |
寿命 | お疲れさまでしたと言ってあげたいです。 |
その他 | ホースや配管の繋ぎ目部品等の劣化 コンプレッサー周辺(電磁クラッチやヒューズ、リレー等) |
●コンプレッサーが故障したらどうなる?
コンプレッサーはエアコンにとって心臓部分にあたります。コンプレッサーが故障=エアコンが効かない(圧縮不良で冷媒ガスが送れない為冷房が効かない)のはもちろんの事、異音がしたり、最悪の場合カーエアコンのシステム全体に悪影響を及ぼし、修理費が高額に及ぶ事があります。
「コンプレッサーが故障している」と診断されたら、コンプレッサーだけを交換したら良い様に思いますが、そう単純ではないのがカーエアコンシステムです。キーワードは「循環」です。冷媒(エアコンガス)は、カーエアコンシステムの中を循環しています。この時に余計な水分・ゴミ・そしてコンプレッサーから出た鉄粉等が、冷媒(エアコンガス)と一緒にシステム内を循環します。また冷媒(エアコンガス)不足=オイル不足になりますので、コンプレッサーが焼き付けを起こす原因になります。
コンプレッサーが焼き付けを起こす。 ↓ 鉄粉が出る。 ↓ カーエアコンのシステム上、鉄粉が冷媒と一緒にシステム内を循環する。 ↓ コンプレッサーが故障する ↓ コンプレッサーを交換する ↓ コンプレッサー以外のシステムに回ってしまっている鉄粉が循環により、 新しいコンプレッサーに戻って来る。 ↓ 新しいコンプレッサーが壊れる。 ↓ コンプレッサー交換の意味が無くなる。 |
●鉄粉の恐ろしさ
コンプレッサーオイルは、エアコンガス(冷媒)の漏れを防止して、コンプレッサー内部の動きを滑らかに保ってくれるものなので欠かす事が出来ません。常にエアコンガス(冷媒)と一緒にシステム内を循環していますので、コンプレッサーオイルが不足した時、または何か異物が混入し循環がスムーズではなくなった時、エアコンガス(冷媒)が流れなくなります。するとコンプレッサーは焼付を起こしてしまいます。
コンプレッサーオイルと言う潤滑剤を失って、焼き付けを起こしたコンプレッサーからは鉄粉が発生します。この鉄粉が、エアコンシステムの他のパーツや配管内を循環しはじめると、まさしく悪循環のはじまりです。エアコンガスに混ざり込んだ鉄粉は、システム内に撒布され、配管ラインや他のパーツ(レシーバ―タンクやエキスパンションバルブ)の詰まりの原因になります。
この時点でコンプレッサーを交換しても、撒布された鉄粉が新しいコンプレッサーを汚してしまいます。鉄粉の怖さは、「コンプレッサー、そこだけでは終わらない」と言う事です。
しかし、寿命などと違って救いなのは、この鉄粉が発生する原因は予防する事が出来ると言う事です。
それが、カーエアコンのクリーニング「エアコンのフラッシング」です。最低限の部品交換で済み、また先々の予防保全になりますので、車(カーエアコン)の生涯メンテナンス代金を抑え、メンテナンス費用(修理費用)をフォローアップする事が可能です。
●フラッシングはエアコンシステムの救世主
ここまで、どうしてコンプレッサーは壊れるのか、鉄粉はどうして怖いのかと言ったところにフォーカスしてお伝えしてきましたが、今からお伝えするフラッシングはまさに、カーエアコンのシステムならではのメンテナンスになります。「循環」を逆手に取ったと言っては何ですが、カーエアコンシステムだからこそ可能なメンテナンス方法と言えます。
フラッシングとは、カーエアコンのシステム内(配管等)に液化したエアコンガスを循環させて、徹底的にサイクル洗浄する事を言います。鉄粉などの不純物はフィルターでキャッチされます。
フラッシングはシステム回路から様々なものを除去します。 ・焼き付けや部品の摩耗によって発生した鉄粉(金属片や金属の削りくず) ・水分 ・様々な粒子(スラッジ等) 等 |
これらを除去する事で、カーエアコンシステムが綺麗な状態(まるで新品同様)になります。そうする事で、カーエアコンが持つ本来の性能を回復させる事が出来ます。例えば冒頭の「冷えない」と言うお悩みは、冷える様になります。まさしくリフレッシュ!!古いエアコンシステムにもバツグンの効果を発揮します。エアコンがよく効く為に大切な事は、まずエアコンシステム(部品)が良い状態を維持している事です。
その後適正量の冷媒(エアコンガス)とコンプレッサーオイルをチャージすれば、エアコンの冷たい風が蘇ります。
●フラッシングの手順
フラッシングする為には、まずエアコンガス(冷媒)を回収するところからはじまります。
冷媒を全て回収する ↓ ホースを接続する ↓ コンプレッサーの配管を外す ↓ エアコンフレッシャーとホースで接続する ↓ 液化エアコンガスをエアコンシステム内部に送り込む ↓ システム内の汚れなどがドレンボトルに排出される ↓ 新しいコンプレッサーを取付け、配管を元に状態に戻す。 ↓ 内部洗浄後、真空引きをする ↓ 冷媒とコンプレッサーオイルを充填する。 |
●まとめ
カーエアコンがよく効く為には、「エアコンシステム(部品)が良い状態を維持している事」が大前提です。当たり前ですが、使用する内に不純物が溜まったり、傷んだりします。結果システムそのものが劣化していき、冷えなくなります。冷えないだけならまだしも、メンテナンスを怠った事で、余計な出費が必要になる事も珍しくありません。
エアコンシステムの内部には、人の目も手も届きません。それだけにメンテナンスで良いコンディションを作り出してあげる事が大切です。メンテンナンスは予防整備とも言われます。大きな故障に繋がる前に「早期発見」「早期対応」する事で、結果的に生涯費用を抑える効果があります。カーエアコンのフラッシングは、単にシステム内を綺麗にするだけではなく、その後適切な量の冷媒ガスとコンプレッサーオイルを充填してくれます。
「適切な量」と言われてもピンとこないかもしれませんが、冷媒ガスの規定量のレンジは狭く、且つ少なくても多くても機能しません。システムが良い状態である事、冷媒ガスとコンプレッサーオイルが適切な量は言っている事、これを実現してくれるのが、カーエアコンの救世主!!エアコンクリーニングのリーダ的存在「エアコンフラッシング」です。
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