【TOM23】セキソーボディ トム23 キャンピングカーに12Vクーラーを取り付け!クーラー後付けで快適!昇圧ロスやサイズのメリットとは!?サブバッテリーシステムについても解説します!大阪府門真市の整備士がキャンピングカーを快適に改造!
●お預かりしたお車
今回お預かりしたお車はTOM23というコンパクトなキャンピングカー!”セキソーボディ”というメーカーで制作されています。このメーカーは埼玉県で創業した老舗のキャンピングカービルダーで、日本で初めてハイエーストラックベースでキャブコンバージョンを制作した会社でもあります。「TOM23」は、このメーカーの代表的なモデルです。
TOM23はTOYOTAのタウンエースをベースにしたキャンピングカーで、コンパクトさと使いやすさが重視された設計になっています。乗車定員は6名、就寝定員は5名で、家族や少人数での旅行にはぴったりのサイズです!
ちなみにこの車はキャブオーバーコンバージョン(略してキャブコン)と呼ばれるタイプのキャンピングカーに分類されます。キャブオーバーコンバージョンとは、キャブ(運転席)を残して住居スペースを上部に追加した構造の事です。住居スペースを後部に設けている為、居住スペースが広がり、リビングやキッチン、ベッド、バスルーム、リラックススペースや収納スペース等も確保できるようになっています。
このように住居スペースを拡張できる以外にも、キャブコンの多くには断熱性能が高いという特徴があります。
多くの方がキャンピングカーと言われて想像するのがキャブコンの形なのではないかなと思います。つまりキャンピングカーの王道の形といっても過言ではない!
◇キャンピングカー7種類
ここまでキャブコンについて説明してきましたが、キャブコンは数あるキャンピングカーの種類の中の1つなんです!キャブコン以外にも実はたくさんの種類が存在しています。
名前 | 特徴 | メリット | デメリット | 価格相場 |
フルコン | 専用のフレームやエンジンを使って1から作られている | 走行性と居住性を兼ね備える | 価格が高額になる | 1000万~2000万円 |
キャブコン | トラックの運転席を残して後ろに居住スペースを付けている | 広い空間で快適性が高い | 車体が大きく重心が高いため安定性に欠ける | 500万~1000万円 |
バスコン | バスやマイクロバスがベースの為奥行きがある | 車体が大きく広い 快適性が高い | 6-7mの車体を運転できる技術が必要 駐車スペースも必要 | 1000万~2000万円 |
バンコン | ハイエースやキャラバンなどのワンボックスがベース | 運転しやすい | 広くはない為大人数で乗ると狭く感じる | 200万~800万円 |
軽キャンパー | 軽自動車や軽トラックがベース | 価格が低い | 他のキャンピングカーに比べて狭い | 100万~200万円 |
トラキャン | ピックアップトラックの荷台部分に居住の空間を載せている | 普段はトラック、必要な時にキャンピングカーと2通りの利用方法ができる | 一度外に出なければキャビンに入れない(繋がっていない) | 200万~800万円 |
キャンピング トレーラー | 居住空間をけん引する | 切り離して使えるから旅先で行動しやすい | 750kgを超えるとけん引免許が必要 | 200万~1000万円 |
◇特徴
キャンピングカーの種類について紹介しましたが、ここからはTOM23について知っていきましょう!
まずはTOM23の基本的な特徴から! ↓
TOM23 寸法・重量 全長4880mm × 全幅1920mm × 全高2630mm ※換気扇無し2580mm |
最初に説明した通り、TOM23はトヨタのタウンエースをベースにしている車です。タウンエースの運転席部分を残して住居スペースを追加しているので、どのくらいサイズが変化しているのか見てみましょう。
タウンエースのサイズがこちら↓
タウンエース (寸法・重量) 全長4,475-4,560㎜ × 全幅1,695mm × 全高1,865-1,950mm |
全長・全幅・全高、どれをとってもやっぱりTOM23はベースのタウンエースよりもかなり大きくなっています。(当たり前ですね)
二つの差がこちら↓
全長 | 全幅 | 全高 | |
タウンエース | 4,475-4,560㎜ | 1,695mm | 1,865-1,950mm |
TOM23 | 4,880mm | 1,920mm | 2,630mm |
+405-320㎜ | +225㎜ | +765-680㎜ |
ちなみにですが、タウンエースとほぼ同じような形で皆さんが普段よく目にしている車があります。それはハイエースです!ハイエースもタウンエースも、トヨタが生産している車です。そして、どちらもトヨタの代表格ともいえる人気の車種で、両者共に高い収納力を誇ります。
ではTOM23の標準装備がこちら↓
標準総部 ●純正フロントエアコン ●ABS ●イモビライザー ●SRSエアバッグ ●カラードバンパー ●電動リモコンミラー ●パワーウインドウ ●運転席・助手席ワイアレスドアロック ●オーディオレス+2スピーカー ●オリジナル後方固定セカンドシート ●オリジナルサードシート ●サイドベッド ●走行充電装置 ●6連スイッチパネル ●サブバッテリー 105A×1 ●排水・清水タンク各20L ●冷蔵庫65L ●室内灯 ●ルーフベント(排気のみ) ●アクリル2重窓(押出型3面) ●マルチルーム ●外部収納(左側) ●フロントミッドシップエンジンレイアウト ●スマートアシスト(衝突回避支援システム) ●VSC&TRC(横滑り防止・空転制御) ●LEDヘッドランプ ●ヒルアシストコントロール |
◇税、保険
“8ナンバー”について、キャンピングカーが好きな方は知っている方は多いかもしれません。8ナンバー車は特殊用途自動車に与えられるナンバーで、税金や維持費に優遇があるとされています。キャンピングカーにおいても条件を満たせば8ナンバーを取得する事が可能なので、弊社でもそういった構造変更のご依頼を承っております。
そして、今回ご紹介するTOM23も8ナンバーに当てはまります。
8ナンバーとは? 8ナンバーに当てはまる車は、消防車・救急車などの社会的な役割・機能を果たすための特別な設備や設計が施されている車の事を指し、このような車は特殊用途自動車とも呼ばれる。 道路運送車両施行規則に基づいた通達では、下記の通りに定められる。 ・「専ら緊急の用に供するための自動車」 ・「法律等で特定される事業を遂行するための自動車」 ・「特殊な目的に専らしようするための自動車」 (例) 緊急自動車 警察車、救急車、消防車、電力会社・ガス会社・水道会社などの公共応急作業車、血液輸送車、臓器移植用緊急輸送車など。 特定事業車 給水車、採血車、郵便車、教習車、図書館車、霊柩車、放送中継車等 |
この8ナンバーは維持費や税金等以外にも、車検が2年に1回になる等のお得な面があります。
弊社でも、「車検を2年に1回にしたいから8ナンバーに変更したい」というご相談を定期的にいただきます。
では実際に税金はどのくらい違うのか、下記の表で比べていきましょう!
自動車税の比較
総排気量 | 8ナンバー | 乗用車 | 差額 |
1L | 20,000円 | 25,000円 | 5,000円 |
1L~1.5L | 24,400円 | 30,500円 | 6,100円 |
1.5L~2L | 28,800円 | 36,000円 | 7,200円 |
2L~2.5L | 34,800円 | 43,500円 | 8,700円 |
2.5L~3L | 40,000円 | 50,000円 | 10,000円 |
3L~3.5L | 45,600円 | 57,000円 | 11,400円 |
自動車税は4月1日の時点で所有している人が1年に1回支払う税金です。8ナンバーの自動車税は自家用車に比べて2割以上お得だということが分かります!
自動車にかかってくる税金は、・自動車税・自動車重量税・環境性能割、消費税の4つです。
この4つの税金の中で、自動車税の他にも自動車重量税も安くなります。重量税の比較をしていきましょう!
自動車重量税の比較
重量 | 8ナンバー | 乗用車 | 差額 |
0.5トン以下 | 4100円 | ||
1トン以下 | 4100円 | 8200円 | 4100円 |
1.5トン以下 | 12300円 | ||
2トン以下 | 8200円 | 16400円 | 8200円 |
2.5トン以下 | 20500円 | ||
3トン以下 | 12300円 | 24600円 | 12300円 |
自動者重量税は乗用車と比べると、同じ重さでも最大で50%も乗用車より安くなります。自動車重税は車検の際に支払う、車の重さによって課される税金です。重量が上がる毎に税金が上がるのは自家用車と同じですが、8ナンバーは1トンずつ、自家用車は0.5トンずつで税金が設定されています。
最大で50%安くなると書いた自動車重量税ですが、キャンピングカーは自乗用車よりも遥かに重量のある設備(ベッドや机、キッチン等)を置くものなので、必ずしも安いとは言えない場合もあります。
保険の比較
8ナンバー(特種用途自動車/軽自動車を除く3輪以上の自動車) | 特種用途自動車(軽自動車) | 軽自動車 | 乗用車 | |
保険料 | 34900円 | 16850円 | 26370円 | 27840円 |
税金は乗用車よりお得でしたが、保険に関しては乗用車の方が割安です。
しかも、任意保険は取り扱いのある保険会社が少ないのでこちらも割高になってきます。
ここまで税金と保険を比較してきました。8ナンバーは維持費の面で優遇されている、というように税金面では普通乗用車に比べるとお得な部分もあることがわかります。ご自身の今のお車の使用状況や状態を考えて、8ナンバーの方がお得だと感じたら構造変更するのも選択肢としていいのかもしれません!
●12Vクーラー取付のきっかけ
今回弊社にご相談いただいたきっかけは、TOM23の「クーラーが効かない」という事からでした。このお客様が装備しているクーラーはTOM23の純正クーラーです。キャンピングカーという広い空間、設備が整っていても、夏の暑さの中でクーラーが効かなかったらせっかくのキャンピングカーの快適性が激減してしまいますよね...。
●12Vクーラー取付作業
では実際に12Vクーラーの取付作業を行っていきます。
取付作業はいたってシンプルで、室内機と室外機をバッテリーに繋いでいくだけです!
実際に取り付けた様子がこちら↓
◇12Vクーラーと一般的な家庭用エアコンの違いについて
今回取り付けたのは12Vのクーラーです。キャンピングカーのような広い空間なので、普通サイズの一般的なエアコンを付けた方が効くんじゃないの?と思った方もいるかもしれません。
しかし、一般的な家庭用エアコンのサイズはキャンピングカーの内部に取り付けるには少し大きいと感じてしまう可能性が高いです。
12Vクーラーと家庭用エアコンのどちらを取り付けるかは、既に車に搭載されているサブバッテリー等によっても変わってきますが、悩む方も多いかもしれません。
ここからは12Vクーラーと家庭用エアコンの違いについて、「エアコンサイズ」「バッテリーサイズ」「インバーターの必要性」「昇圧ロス」の4つの点から見ていきたいと思います。
まずは1つ目、クーラーの大きさの違いから見ていきましょう!
①<エアコンサイズ>
12Vクーラー | ①小型モデル 容量:5~10リットル 幅:30~40cm 高さ:20~30cm 奥行き:20~30cm ②中型モデル 容量:10~20リットル 幅:40~50cm 高さ:35~40cm 奥行き:30~35cm ③大型モデル 容量:25~40リットル 幅:50~60cm 高さ:40~50cm 奥行き:30~40cm |
一般的な家庭用エアコン | ①小型モデル 適用面積:6畳以下 幅:70~80cm 高さ:25~30cm 奥行き:20~25cm ②中型モデル 適用面積:8~12畳 幅:80~90cm 高さ25~30cm 奥行き:20~30cm ③大型モデル 適用面積:14畳以上 幅:90~100cm 高さ:30~35cm 奥行き:30cm以上 |
それぞれの小型・中型・大型モデルのエアコンのサイズを比較してみました。これを見ると“幅”のサイズが一目瞭然で違いますよね。12Vクーラーに比べ、家庭用エアコンの幅は約2倍。
12Vクーラーと家庭用クーラーの幅を比較してみます。↓
幅の比較 | 小型 | 中型 | 大型 |
12Vクーラー | 幅:30~40cm | 幅:40~50cm | 幅:50~60cm |
家庭用クーラー | 幅:70~80cm | 幅:80~90cm | 幅:90~100cm |
差 | +30-50cm | +30-50cm | +30-50cm |
キャンピングカーがいくら広い住居スペースをもっているとはいえ、実際にこの長さの家庭用エアコンをキャンピングカーにつけると圧迫感が出てきてしまいます。せっかくの住居スペースを所持しているキャンピングカーが狭く感じてしまうのは避けたいですよね。ということで、コンパクトな12Vクーラーがキャンピングカーにはぴったり!
②<バッテリーサイズ>
そして次はバッテリーサイズの違いです。「サブバッテリー」はキャンピングカーにおいて、とても大事なものです。車内で電気を使うために必要なバッテリーを、「サブバッテリー」と呼びます。つまりキャンピングカーにはエンジンを動かすための「バッテリー」と、車内で電気を使うための「サブバッテリー」の2つのバッテリーが搭載されているということです。電化製品を車内で快適に使うためにはサブバッテリーが必要不可欠です!
バッテリーの容量は皆さんになじみ深いモバイルバッテリーと同様に、アンペアで考えられます。
ではここで、12Vバッテリーのサイズと必要なアンペア数について紹介していきます。まずはバッテリーのサイズがこちら↓
サブバッテリー | ①小型モデル(約7~20Ah) 幅:15~20cm 高さ:9~15cm 奥行き:5~8cm 用途:オートバイ、小型の電子機器、非常用のバックアップ電源など ②中型モデル(約20~50Ah) 幅:20~25cm 高さ:15~20cm 奥行き:8~15cm 用途:小型のキャンピングカー、アウトドア用の電源、ポータブル冷蔵庫など ③大型モデル(約60~100Ah) 幅:30~40cm 高さ:20~25cm 奥行き:15~20cm 用途:キャンピングカー用の電源、自動車、ボートなど |
キャンピングカーにサブバッテリーを搭載している方は、100Ah以上のものを選んでいる方が多いのではないでしょうか。
どのようなサブバッテリーを積むかは、車に積まれている家電製品がどれくらい電力を必要とするかによって変化します。
ではエアコンがどれくら電力を必要とするのか、調べていきます。
計算式がこちら↓
必要アンペア数(A)= 消費電力(W)÷電圧(V) |
(例)400Wの消費電力を持つ12Vクーラーを搭搭載していた場合
必要アンペア数=400W ÷ 12V の計算式になるので、このエアコンが必要とするアンペア数は33Aとなります。
一方で家庭用エアコンを車に搭載する場合はインバーターを通す必要があるので、電圧ロスを考えた計算式が必要になります。
計算式はこちら↓
(例)
インバーターの変換効率を80%、消費電力900Wの家庭用エアコンを車に搭載した場合
●車の電圧:12V
●消費電力:900W
●インバーター効率:0・8
計算すると、必要アンペア数= 900W÷12V × 0.8
となります。答えは約94Aです。
話は変わりますが、仮に200Ahのサブバッテリーを積んでいた場合、それぞれどのくらいの時間稼働するのでしょうか?
(12Vバッテリーの平均的な消費電力は150W~500W)
(家庭用エアコンの平均的な消費電力は500W~2000W)
●稼働時間の計算式 総エネルギー(Wh) ÷ 消費電力(W) |
まずは総エネルギーを知る必要があります。
●総エネルギーの計算式は、電圧(V) × アンペア数(Ah)です。
今回は200Ahのサブバッテリーを積んでいる前提の計算なので計算はこうなります。↓
12V × 200Ah =2400Wh つまり200Ahのサブバッテリーが持つ総エネルギーは2400Whです。
総エネルギーが算出されれば、稼働時間を調べるのは簡単です!
◎12Vクーラー 消費電力300Wの場合 2400Wh ÷ 300W = 8時間 |
◎家庭用エアコン 消費電力が900Wの場合 2400Wh ÷ 900W = 2.6時間 |
例えバッテリーが満タンの状態であったとしても、エンジンを停止して電力を充電できない状態のままエアコンを付けると、家庭用エアコンの場合は2.6時間で消えてしまうということです。
室内の広さやエアコンの設定温度、もちろん外気温にも左右はされますが、平均的な数値で計算するとこのような結果になりました。これほどまでに消費電力の差は稼働時間へ直接響いてしまいます。
できるだけ快適な空間を過ごすためにも、バッテリーをできるだけ長く持たせる工夫も大事になってくるという事ですね。
室内の広さやエアコンの設定温度、もちろん外気温にも左右はされますが、平均的な数値で計算するとこのような結果になりました。これほどまでに消費電力の差は稼働時間へ直接響いてしまいます。
できるだけ快適な空間を過ごすためにも、バッテリーをできるだけ長く持たせる工夫も大事になってくるという事ですね。バッテリーを長く持たせるために利用できるのが「ソーラーパネルの取り付け」です。
弊社ではソーラーパネルの取り付けも行っておりますので、気になる方はこちらの記事を是非ご覧ください!↓
③<インバーターの必要性>
では3点目はインバーターの必要性についてです。
まずインバーターとは、直流電流(DC)を交流電流(AC)に変換する為のものです。ではなぜ電流を変換する必要があるのかというと、車のメインバッテリーやサブバッテリーはDC12V(直流12V)、一般的な家庭用のコンセントはAC100V(交流100V)、という違いがあるからです。普段私たちが使用している家電は全部、基本AC100V(交流電流)の交流電流が流れると使用できるように設定されています。
例えば家庭で使用する冷蔵庫やパソコン等の電化製品も、基本的に交流電流AC100Vで設定されています。なので、家で使う際にはそのまま使用できますが、車のバッテリーは直流(DC)なので“そこにそのまま繋げて使用する“なんて事はできません。ですがキャンピングカーでは当たり前のように冷蔵庫やテレビなどの家電製品を使用していますよね。こんな時に必要になってくるのが「インバーター」です。
最初に説明した様に、インバーターは直流電流(DC)を交流電流(AC)に変換する為のもの。つまり、バッテリーの直流電流DCを交流電流ACに変換することによって、車での家電製品利用が可能になります。
キャンピングカーを持っている人なら馴染みのある機器の一方で、一般的な乗用車を利用している方にはあまり関係ないと思われるかもしれません。でも、車を使ったことのある人ならほとんど多くの方がインバーターの仕組みを利用しているはずです。それは「シガーソケットUSB」。
車に乗りながらスマホを充電したことがある人なら使っている車の一部分、車の電力DCをACに変換してスマホ等への充電を可能にしているものです。車のインパネの下に、丸い穴がありませんか?それがシガーソケットです。カバーが付いていたら「アクセサリーソケット」と呼ばれます。シガーソケットは本来、煙草に火をつける「シガーライター」を加熱する為に存在していたものです。最近では喫煙者の数が減り、シガーライターはオプション、シガーソケットだけが標準装備されている車が多くなっています。
現在では、そんなソケット部分にスマホ等の機器を充電するための「カーチャージャー」が付けられるのが主流になってきています。
シガーソケットに流れている電力は12Vの直流電流(DC)。つまり、皆さんが当たり前のようにソケットにカーチャージャーをさしてUSB充電できているのは、カーチャージャーが車から12Vの電力を受け取って、スマホに供給できる交流電流(AC)に変換してくれているからなんです。
このように、スマホ1つでも車から電力を供給するためには電力を変換する必要があるんです。それを行ってくれるのが「インバーター」です。
話を元に戻してエアコンの話をしましょう。今回比較している12Vクーラー、その名の通りDC12V(直流電流)の製品です。そう、つまり12Vクーラーはインバーターを通さずとも直接車から電力を供給する事が可能になります。
一方で家庭用エアコンを使用する場合は、車のバッテリー直流電流(DC)を交流電流(AC)に変換する必要があるので、インバーターを通すことになります。
「なんだ、インバーターを通せば普通に使えるんだったらいいじゃないか」と思うかもしれませんが、インバーターを通すことによって生じるデメリットがあります。それは「昇圧ロス」です。
④<昇圧ロス>
インバーターを通せば家庭用エアコンも使える、ということは話しました。ここではインバーターを通すことによって生じる「昇圧ロス」について深堀していきます。
「昇圧ロス」とは、電圧を高くする際に生じる電力の損失のことです。家電製品を車内で使用するために、車のバッテリー(直流電流12V)を家庭用の電圧(交流電流100V)に変換します。この電圧を上げる際、全ての電力が綺麗に変換される訳ではありません。このタイミングでエネルギーの損失が発生します。この損失は一般的5%~、悪いもので30%ほどとされており、ここでは20%の損失と考えて解説していきます。
家庭用の交流電流を車内で使用するためには、インバーターを通す事が必須。つまり、昇圧ロスも必須ということです。
しかしここで今回登場するのは12Vクーラー!この12Vクーラーはインバーターを通さずに使用できるので、電力の損失を発生させることなく稼働させられます。しかし一般的な家庭用エアコンはインバーターを通す必要があるので、2割程度の電力の損失を見越しておかなければなりません。
電力の充電は走行中やソーラーパネル、外部の充電で賄われます。せっかくの住居スペースをもっているキャンピングカーだったら、エンジン停止中でもエアコン等の家電製品を電力の消費を心配する事なく使用し続けたいですよね。しかし昇圧ロスが激しければ激しい分、貯めた電力は減っていってしまいます。少しでも電力を長持ちさせる為に、昇圧ロスを抑えることのできる部分は抑えておくのもいい手段ではないかと思います。
●ナマリバッテリーとリチウムバッテリーの違い
キャンピングカーにはエンジンを動かすための「バッテリー」と、車内で電気を使うための「サブバッテリー」が搭載されていると上記のバッテリーサイズの箇所で記載しました。
そして「サブバッテリー」には2つの種類があります。「ナマリバッテリー」と「リチウムバッテリー」です。
それぞれのメリットデメリットがあるので、比較してみていきましょう。
ナマリバッテリー | リチウムバッテリー | |
エネルギー密度・重量 | 密度が低い・重い | 密度が高い・軽い |
寿命(充放電サイクル ) | 300~500回程度 | 2000~5000回程度 |
メンテナンス性 | 定期的なメンテナンスが必要な場合有り 一般的な開放型ナマリバッテリーは蒸発して電解液を補充する必要がある (密閉型鉛バッテリーはメンテナンスフリーが多い) | 基本的にメンテナンスは不要 充放電の効率が高く、自己放電も少ないので長期間保管しても電力を失いにくい |
放電特性と安定性 | 高電流の放電は向いているが、電圧が下がっていくため電圧の変動が大きい 安定性は高いが効率が低く、放電時のエネルギーロスが多くなりやすい | 放電時にも電圧は安定し、最後まで一定の出力を維持できる。 高効率でエネルギーロスが少ない。高出力が必要な場面に適している。 |
価格 | 初期コストは安価 短期的なコスト重視や使用頻度が少ない場合には魅力的 | 初期費用が高価 長寿命なので、長期的に使う場合にはコストパフォーマンスが良いとされる。 頻繁に長く使うのであれば、鉛バッテリーよりトータルコストが安くなる可能性がある |
安全性 | 長年使われてきた技術で、比較的安全。 しかし取り扱いには注意が必要。開放型は液漏れやガス発生に気を付ける必要がある。 | 高温で使用したり過充電、衝撃によって発火するリスクがある。 最近では安全機能が強化されたものが多く販売されており、過充電や過放電を防ぎ安全性を高めている。 BMS(バッテリーマネジメントシステム)を内蔵しているタイプが多い。 |
最近ではリチウムバッテリーの人気が高まっていますが、もちろんナマリバッテリーの昔からの根強い人気も存在しています。
ここで鉛バッテリーの電圧降下について少しだけ触れておきます。
鉛バッテリーには、負荷がかかった時や放電中に電圧降下が起き、電圧が下がっていくという事象が発生してしまいます。これはバッテリーそれぞれの特性だったり使用状況で変わってきますが、電圧降下が進むと、バッテリーが充分に機能しなくなってしまったり、そもそも機器自体が動かなくなってしまいます。
これはかなり大きいデメリットではないかと思いますが、この電圧降下の原因について少しご説明します。
◇鉛バッテリー電圧降下の原因
鉛バッテリーの電圧降下は電池内の化学反応によって起きていて、あくまでも自然な現象です。
放電が進むにつれて電圧も低下し、80%以上放電すると、バッテリーの劣化が早まっていくので、50%程度での再充電が推奨されています。
そして放電以外にも、電流を多く消費する機器を使う場合にも電圧が低下しやすくなります。
この電圧低下には内部抵抗がかなり影響していて、放電が進むにつれ、そして劣化が進むにつれて内部抵抗は増加していきます。
内部抵抗が増加すると、電圧降下もどんどん激しくなっていってしまいます。
この電圧降下がもたらす影響は主に下記のものになります。
◎機器の動作不良 ⇒ 電圧の維持が難しくなり、機器に供給する電力が不安定になると正常に動かなくなる可能性がある
◎満充電にならない ⇒ 電圧が低下しすぎた状態で放置すると、「サルフェーション」という現象がおきます。これは鉛バッテリーの放電時に発生する硫酸鉛の結晶化です。これが起きると、バッテリーの劣化に繋がり、満充電にならなくなってしまう可能性がある
このように鉛バッテリーには様々なデメリットが存在します。
使用頻度が高いキャンピングカーにバッテリーを積もうと考えている方がいれば、リチウムバッテリーの方がメリットは大きいのではないかと思います。
●リチウムバッテリーの取付はお任せください
今回はキャンピングカーのエアコンについて書いていきました。
まるで家のような快適で楽しいキャンピングカーを作っていくためにも、キャンピングカーに搭載する家電はとても重要なものになりますよね。
今回の記事が、エアコンやバッテリーについて悩まれていた方に少しでもお役に立っていればいいなと思います。
弊社ではエアコンの取り付けはもちろん、バッテリーの取り付け、ソーラーパネルの取り付けも行っております。
もう寒くなってきて、次に必要なのは暖房!快適な冬のキャンピングカーライフを過ごすために、なにかご相談等ございましたらご気軽にご連絡ください!
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