トヨタ《ハイエース スーパーGL》バッテリーチェックランプ点灯を門真の整備士が迅速に対応!!
今回お客様からお預かりしたお車はトヨタの「ハイエース スーパーGL」です。GLの略は何かご存知ですか? GL=グランドラグジュアリーです!!
バンということは高い積載量を魅力とするビジネスユースの車というイメージですが、そんなバンの中にあって乗用車並み、またはそれ以上の乗り心地を実現するのがスーパーGLです。ハイエースの中で最上級を誇るだけあって、ラグジュアリー(=豪華・贅沢)の名前に相応しい仕様になっています。
そんなハイエースにお乗りのお客様から「バッテリーチェックランプが点灯した」とのご依頼を受けました。門真の整備士がお車を拝見いたしましたのでまとめたいと思います。

●お預かりしたお車
メーカー・ブランド | トヨタ ハイエース スーパーGL |
型式 | KR-KDH200V |
年式・初年度登録 | 2006年 |
走行距離 | 357710km |
通称「200系1型」、エンジンは2KD-FTV(ディーゼル)、水冷直列4気筒DOHCターボ
●故障の症状
バッテリーチェックランプ(充電警告灯)点灯、その後エンジンが止まり走行不能。
●故障箇所の特定と診断
バッテリーチェックランプ(充電警告灯)が点灯したということは、電気系統などに異常が発生したと考えられます。バッテリーチェックランプはバッテリーが充電出来ていない(電圧低下)時に点灯します。

走行中にバッテリーランプが点灯する場合は、オルタネーターが原因になっている事が大半です。もしバッテリーランプが点滅している、または消えたと思ったらまた点いたと言う場合は、オルタネーターを動かしているVベルトに異常があるのかもしれません。
他にもヒューズの断線やファンベルトの劣化、バッテリーそのものの経年劣化などがバッテリーランプ点灯の原因として考えられます。
まずは電圧を測定する必要がありますが、先にバッテリー充電量の点検、ベルト、ヒューズ、プーリーなどに異常がないか点検します。異常が無ければ電圧を測定する準備に入ります。
オルタネーターのB端子に電圧計(テスター)を接続し、エンジンの回転数を上げていき数値を確認します。オルタネーターが正常であれば13.5V~14.7V程度は出力するはずですが、電圧の上昇が13V未満でしたので、オルタネーターの発電量が不足していると診断することができます。
【出力電圧】
16V以上 | 過電圧 | 電圧を正常に制御できていない状態。電圧レギュレーターの故障等が考えられる。 |
13.5V~14.7V | 正常値 | |
13V未満 | 出力不足 | オルタネーターやベルトなどの不具合で発電量が不足している状態。 |
【故障箇所の特定と診断】
原因はオルタネーターの発電不良
※バッテリーランプ点灯の原因は、オルタネーターに不具合が発生した事によりバッテリーの充電がうまく行われていなかったため。
オルタネーターにも寿命があります。10年または走行距離10万kmが目安とされていますが、以下の様な症状がある場合は、そろそろ寿命かもしれません。
- 異音
- 発電不足、発電不良、発電しない、過充電
- エンジンが不安定、エンジンが停止する、エンジンがかからない
- 電装品が不安定になる など
今回のお修理はオルタネーター本体の故障(寿命)が原因のため交換が必要ですが、純正品は大変高額ですのでリビルト品で対応いたします。
ハイエースのオルタネーターはエアコンのコンプレッサーの下にありますので、まずはフロントシート、カバーを取り外します。オルタネーターはここから更にコンプレッサーの下にあります。
コンプレッサーを取り外してオルタネーターを交換する方法もありますが、門真の整備士はコンプレッサーを取り外さず、横からオルタネーターを取り外していきます。その為タイヤとエアダクトも取り外していきます。


その後、バッテリーのマイナス端子とベルトを外していきます。配管や他のパーツに気を付けながらオルタネーターを取り外します。
交換後は出力(電圧)を確認し、警告灯も点いていない事を確認いたしました。バッテリーチャージと暗電流計測(漏電点検)をしたら作業完了です。
●故障修理の内容と費用
作業内容・部品等 | 工賃 | 部品代 |
---|---|---|
基本診断料及びエラーコード消去 | 12,000円 | |
オルタネーターベルト 交換調整 | 6,000円 | 6,300円 |
オルタネーター(リビルト品) | 24,000円 | 68,000円 |
暗電流測定及び漏電点検 | 8,000円 | |
バッテリー充電 | 4,000円 | |
合計 | 54,000円 | 74,300円 |
消費税 | 5,400円 | 7,430円 |
総計 | 141,130円 |
●修理後の様子
オルタネーター交換後は、バッテリーチェックランプも消え問題無くお客様にご納車させていただきました。お仕事の相棒として使用されている事もあり大変喜んでいただきました。
●まとめ
オルタネーターはエンジンをかける時(始動する時)に必要な電力を供給してくれる部品です。エンジンを始動させるにはセルモーターが必要ですが、セルモーターを作動させるのに必要なバッテリーに充電してくれているのがオルタネーターです。
車にとってオルタネーターは発電機の役割を担っています。エンジンの動力を利用して発電し、バッテリーを充電(蓄電)してくれています。
エアコンの効いた車内で快適に過ごせるのも、オーディオやテレビを楽しめるのもオルタネーターが発電してくれているからこそです。オルタネーターは車に多数ある電装品に電力を供給してくれる重要な部品になります。
「しばらく車に乗ってなかった。久しぶりに車を動かそうと思ったらバッテリーが上がっていた。」と言う話は時々耳にします。これは「車を動かしていなかった=発電していなかった」からです。
バッテリーは何かに電気を使用しなくても自然放電(自己放電)していますし、暗放電と言ってコンピューターやセキュリティーシステムに常に電気を供給しています。
車を動かさないまま時間が経過すると、自然放電(自己放電)や暗電流によって徐々に電力は失われていくのに、バッテリーは電気を消耗する一方で充電されない状態です。これが代表的なバッテリー上がりのケースです。逆にエンジンが動いていればオルタネーターは常に電力を供給してくれます。
エンジンをかける ↓ オルタネーターが発電する ↓ バッテリーに充電される ↓ スターターモーター(セルモーター)や電装品が使用できる。 | エンジンを動かさない ↓ オルタネーターが発電しない ↓ バッテリーに充電されない(使用する一方) ↓ バッテリーが空になる ↓ スターターモーターが回らないためエンジンがかからない(バッテリー上がり) |
もし走行中にバッテリーチェックランプ(充電警告灯)が点灯した場合は、エアコンなど電力を消費する電装品のスイッチを切り電力消費を減らします。そして出来るだけ早く安全な場所に車を停車させて下さい。バッテリーに電気が残っている間はバッテリーから電力が供給されますが、バッテリーに蓄電されている電力を使い切ってしまった場合、ブレーキ制御やパワステの動作にも影響が及ぶ可能性があります。そしてバッテリーを使い切ってしまう事はバッテリー本体の劣化にも繋がります。
バッテリーチェックランプの原因がオルタネーターの場合、いずれ自走出来なくなりますので十分にご注意ください。本当に酷い状態になるとハザードランプもヘッドランプも使用出来ません。夜間の高速道路でこのような状態になることは大変な事故に繋がりかねません。
警告灯が点灯した場合はもちろん、電装品がいつもと違う、エンジンの出力がイマイチなど、いつもと違う異変を感じられたら出来るだけ早く手当される事をおすすめいたします。ロードサービスを必要としない段階でメンテナンスされる事が最良ですが、万が一のときは東伸自動車までお気軽にお問い合わせください。

お車をお預かりすることになった際も、まずお車を拝見し、お車の状態(故障内容や必用な修理内容等)についてお客様にご説明させていただきます。その上で金額の提示(お見積り)をさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。
同時にオルタネーターの交換となると費用は高額になります。オルタネーターに限ったことではありませんが、まずは普段からメンテナンス(定期点検等)をされることをおススメいたします。メンテナンスする事で故障を未然に防止することができます。もし異常や違和感に気づいた場合は早く手当をする。これがお車の修理には一番の薬になりますので、「これくらいなら」と思わずに一度東伸自動車までご相談ください。
お客様がご納得されてからお修理をさせていただくことを前提としておりますので、お車の故障・修理に関するご相談・ご依頼は安心して東伸自動車にご連絡ください。

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