《コルドリーブス》門真の整備士がサブバッテリーをリチウムイオンに交換!!最大出力900Aに!!

 今回お客様からお預かりしたお車はコルドリーブス(CORDE Leaves)です。コルドリーブスはバンテック社が製造しているキャンピングカー(キャブコン)になります。ボディはコンパクトなのに大容量で、解放感のある室内が大変人気のキャンピングカーになります。

 今回お預かりしたお車はフルタイム4WDのディーゼルエンジン(2982cc)になりますので、準中型免許が必要ですが、ガソリン車(1998cc)タイプなら普通免許で運転する事が可能です。

今回はこのお車のサブバッテリーをリチウムイオンバッテリーに交換いたしました。また、バッテリー交換に伴い電量計も新しくなりましたので、まとめたいと思います。

メーカー・ブランドバンテック コルドリーブス
VANTECH  CORDE Leaves
ベース車両トヨタ ダイナ
型式LDF-KDY281改
エンジン1KD(直列4気筒 ディーゼルエンジン)
年式・初年度登録2020年式

 今回お預かりしたコルドリーブスは、トヨタのダイナがベースになっています。キャンピングカーのベース車両と言えばカムロード(CAMROAD)を思い起こす方もいらっしゃるかと思いますが、カムロードは元々トヨタのダイナ(トヨエース)がキャンピングカーのベース車両として誕生した車になります。

 サブバッテリーは車にとって2つ目のバッテリーになります。1つ目はメインバッテリーであり、エンジンやモーターを動かす役割を担っています。その為にスターティングバッテリーとも呼ばれています。

 2つ目のサブバッテリーはメインバッテリーとは違って生活電源になります。キャンピングカーの中で冷蔵庫やエアコン、その他家電類を使用する際に電力供給してくれるのが、サブバッテリーシステムの役割になります。特にエンジンを停止している時に家電を使用するにはサブバッテリーは欠かす事が出来ません。

 キャンピングカーのサブバッテリーシステムを形容する時、いつも比較されるのは「鉛バッテリー」と「リチウムイオンバッテリー」です。今回お預かりしたコルドリーブスにも積まれていますが、鉛バッテリーは1970年に登場します。モータリゼーションの進展に伴い急速に拡大していき、その後あらゆるジャンルに採用され広く普及していきます。

 弊社でも鉛バッテリーをリチウムイオンバッテリーに乗せ換えた記事を、数多くホームページに掲載しています。そこだけフォーカスすると鉛バッテリーは古くてリチウムイオンバッテリーが新しい様な印象を受けますが、実はそんなことはなく鉛蓄電池は現在も進化し続けています。例えばアイドリングストップ用電池として開発されるなど、エコカーと共に進化し続けている面を持っています。

 逆にリチウム電池自体も1950年代には存在しています。NASAが宇宙用・軍事用に開発をスタートしたのが始まりとされています。日本では1970年代に生産がスタートしていますが、ただこれはリチウム一次電池になりますので、現在話題になっているリチウムイオン電池(二次電池)とは全く違うものになります。

 「一次 vs 二次」「鉛 vs リチウム」そう言われてもイメージしづらいかとおもいますので、電池について以下に簡単にまとめたいと思います。

 上表にも起筆しましたが、一次電池は充電できない電池になります。
それに比べて二次電池は外から電気を送り込む事(=充電する事)で、繰り返し使用する事が出来る電池の事を指します。

今回取り上げている鉛蓄電池もリチウムイオン蓄電池も二次電池になります。そして鉛蓄電池はスターティングバッテリーとディープサイクルバッテリーに大別されますが、ここではディープサイクルバッテリーとしての鉛蓄電池を取り上げていきたいと思います。

 ではここから本題です。鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーは、何が違うのでしょう? どうして鉛バッテリーからリチウムイオンバッテリーに乗せ換える人が増えているのでしょうか?

 車に搭載されるバッテリーは二次電池であることは前述いたしました。そしてこの二次電池のうちサブバッテリーシステムに使用されているバッテリーのことを、「ディープサイクルバッテリー(=EBバッテリー)」と呼んでいます。その意味は「深い放電の繰り返しに耐えることが出来るバッテリー」と言う意味合いがあります。

【ディープサイクルバッテリー】

スターティングバッテリーは深く放電すると鉛スポンジが消耗し、セルの底へ落ち堆積していきます。その結果電気を蓄える事が出来なくなります。

それに比べて、ディープサイクルバッテリーは、80%以上の放電サイクルを前提に設計され、電極板はスポンジ状のスターティングバッテリーに比べて固体鉛板でしかも厚くなっています。深放電や充電を繰り返し行う事が可能で、且つ長時間の連続使用にも可能な構造になっていますが、スターティングバッテリーの様な瞬発力はありません。

 150年以上の歴史を持つ鉛バッテリーの特長は何と言っても原材料が入手しやすいことです。結果とてもリーズナブルな価格で購入することが可能です。

リチウムイオンバッテリーと比較する時も、鉛バッテリーは安価だがリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは高額だとして価格の事がよく引き合いに出されています。もちろん間違いではありません。初期コスト面だけを見ればリチウムイオンバッテリーの方が高額になります。

しかしサイクル回数(=バッテリーの寿命)が全く違う為、車一台分の生涯コストとして見るとリチウムイオンバッテリーの方が安くなる傾向にあります。

 ではこの2つのバッテリーはどの様な違いがあるのでしょうか?

鉛蓄電池リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
寿命3~7年10~15年
サイクル350回~400回2000回~4000回
大きさ・重さ大きく重い(小型化が難しい)鉛の1/2以下(モデルにもよります)
充電速度遅い(急速充電出来ない)早い
放電深度80%100%
放電能力低い高い(高い電圧を維持したまま放電可能)
補充電使用後は出来るだけ早く補充電し、満充電で補完する。満充電せずに放置すると内部劣化が進む。バッテリー残量30%未満で放置しても問題無く、補充電のタイミングは選ばない。
価格安価高価(鉛の4~5倍)
設置横倒し禁物設置方向自由

 鉛ディープサイクルバッテリーは、今まで広く使用されてきました。基本は鉛と希硫酸の反応を利用して蓄電する仕組みですが、難点は電力を消費すると電圧が徐々に下がる特性を持っている点です。

500W以上の電力放出時には電力が下がりますし、蓄電量が約60%になると、規格電圧(12V)を下回り始め、11Vを下回ると電化製品が徐々に止まり始めます。インバーターを使用しているタイプであればインバーターが自動停止する可能性があります。

【鉛ディープサイクルバッテリーの弱点】

  • エネルギー密度が低い上に、鉛は重く嵩張るため小型化が難しい。

 設置の際も液漏れする可能性がある為横倒し禁物(希硫酸を使用している為危険性が高い)。

  • 単体での蓄電量はあまり多くなく、蓄電量の約6割しか使用できない。
  • 充電速度が遅い。
  • 充放電を繰り返すうちに性能が低下する。 ・極寒地では電解液が凍結し、破裂する危険性がある。

 その点リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、深放電や充電を繰り返し行う事が可能な構造になっていますのでその心配が殆どありません。これらのことから、最近では普及が大幅に加速しています。鉛蓄電池の150年の歴史に比べれば、リチウムイオン電池の歴史は高々25年です。

しかし、この間携帯電話(スマホ)やノートパソコンなどの電子機器の電源として使用されてきました。当初は発火の危険性等が話題になることもありましたが、今では技術の発達により問題も解決に向かっています。

 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに関しては、元来が不燃性ですから安全性は高いと言われています。しかもレアメタルを使用していませんので、原材料価格に左右されることも無く価格は安定しています。寿命も長く自己放電率が低い点もリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特長と言えます。高出力用途に向いている点もサブバッテリー用の電池として重宝されまた普及が進む決定要素ではないでしょうか。

 では、実際に乗せ替えをした走行充電器等についてまとめていきたいと思います。今回お預かりしたコルドリーブスは鉛バッテリーを積んでいましたので、これをリチウムイオンバッテリーに乗せ換えます。しかしこれが重い!!この重たいバッテリーを取り外すところからスタートです。

 新たに乗せ替えるのは、レノジー(RENOGY)社のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーヒート機能付き12V300Ah、3台になります。

使用は以下の通りです。

定格容量300Ah
公称電圧12.8V
電圧範囲10V~14.8V
サイクル寿命5000サイクル(80%DOD)
サイズ384×194×253㎜
重量25㎏
接続方法直列及び並列(4S4P)
放電温度範囲-20℃~65℃

【今回リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに乗せ替えした事で】

鉛ディープサイクルバッテリー 210Ah×4=840Ah 
  ↓  
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 300Ah×3=900Ah へ変更

 上記の数字だけを見ると「あまり変わらない⁉」と感じるかも知れませんが、上述した様に電圧降下特性などを加味すると、容量は同じでも実際に放電できる電力量には大きな差があります。それだけリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは1時間当たりの性能があるという事です。

 そして、リチウムイオンバッテリーと共に、バッテリーモニター(電圧系&電流計)、外部充電器(12V20A)、MPPTチャージコントローラー(40A)、ソーラーチャージャー(60A)等必要機材一式を取り付け施工していきます。

 キャンピングカーという小さくて大きな空間は、私たちを非日常へ連れて行ってくれます。慣れ親しんだ日々ではあっても、習慣の中でマンネリ化した日常や、仕事の疲れとは対極にあるキャンプは、自分らしさを思い出させてくれるのかも知れません。

 積極的に自分から何かしなければ、キャンプは前には進んでいきません。それを手助けしてくれるのがサブバッテリーシステムです。現在キャンピングカーをご使用なさっておられる方で、ご不便を感じておられるお客様は是非とも弊社までご相談下さい。お客様のニーズや生活スタイルに合ったサブバッテリーシステムをご提案いたします。

 まずはお客様からお話をお聞きしてどの様なベース機材が必要か、またそれらの仕様はどうなっているのかなどご説明させていただきます。そして弊社でお受け出来る内容であればお見積りさせていただきます。お客様にご納得頂いた上で施工させていただきますので、安心してご相談下さい。

 快適で安全なキャンピングライフは、車両の快適性など車内環境(整備)に大きく左右されます。それと同時に車自体がしっかりメンテナンスされている事が前提と言っても過言ではありません。お客様のお車の能力と魅力を最大限生かす為のお手伝いを門真の整備士が担当させていただきます。

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