【修理】トヨタ ハイエース SUPER-GL ダークプライムⅡ 《 GDH/KDH》DPF 再生時間が長い!頻度が増えた! 警告灯 点灯 |大阪府 門真市 整備

今回お客様からお預かりしたお車はTOYOTAトヨタ「ハイエース SUPER-GL特別仕様車 ダークプライムⅡ」です。今やハイエースは仕事のみならず、プライベートでも愛される車としてその地位を確固たるものにしています。ハイエースの豊富なラインナップは自分スタイルを可能にする車として、時代や人(ユーザー)の要望に応え続けてきました。
そんなハイエースの中でも特にSUPER-GL特別仕様車 ダークプライムⅡの存在感は格別と言えます。最上級グレードの車として内装は上質で、装備は大変充実しています。そしてパワートレインにはガソリンとディーゼルの両方を有しています。
ディーゼルエンジンは大きなトルクを発揮しますので、パワフルな走りと燃費の良さが持ち味(長所)ですが、今回DPFの警告灯が点灯したとの事で、ご入庫頂きましたのでまとめたいと思います。
● お預かりしたお車
| メーカー・ブランド | トヨタ ハイエース スーパーGL 特別仕様車ダークプライムⅡ |
| 型式 | QDF-GDH201V |
| エンジン | 1GD-FTV(ディーゼルエンジン) |
| 年式・初年度登録 | 2018年 |
| 走行距離 | 115759㎞ |
● 故障の症状
DPFの警告灯が点灯。
DPFの再生時間が長くなり、頻度も増えた。

● 故障個所の特定と診断
お客様のお話では、「DPF再生に時間がかかるようになった。」「再生の頻度も増えた。」「吹けないなぁと感じる事がある」との内容でした。
まずは診断機にかけて数値を確認してみます。燃焼温度が上がりきっておらずススを焼き切る温度に達していません。車の型式によって違いますが、ハイエースは排気温度を上げる為にPM再生時にターボ近くのフューエルアディションインジェクターが排ガス中に燃料を噴射する仕組みになっています。温度が上がらないという事は、燃料が噴射されていない可能性が高いと見通しを立てる事が出来ます。
| DPFの排気温度が低い時の症例 | ・ススの燃焼不全、目詰まり ・燃料噴射制御の異常(=過剰)による温度上昇 ・ターボチャージャーの不具合 など |
| DPFの排気温度が高い時の症例 | ・センサー(温度センサーやO2センサー)の故障 ・燃料供給系統の不具合(燃料噴射量が少ない)により、排気温度が上がらない。 ・手動再生(の多用)による過負荷、DPFの溶損、 ・排気漏れにより温度センサーに正しい温度が伝わらない など |

ディーゼルエンジンのインジェクターは電子制御(ECU)され、シリンダー内の圧力が高まった時に、精確なタイミングで適切な量を供給(噴射)するようになっています。その噴口径は100ミクロン以下と微細な為、時間の経過と共に燃えカス(スス)などがインジェクター内に堆積し不具合を誘発する原因になります。
インジェクターがミクロンサイズの精密部品に出来ているのは、理想的な混合気を作る為です。ところが噴射口に燃えカスなどが固着し目詰まりを起こすと燃料が正しく供給されません。その結果エンジン内の燃焼温度が上がらず、DPFのススが燃え切らず残り、DPF警告灯が点いたり、吹け不良(出力不足)やアイドリング不調、始動不良などを引き起こします。
| インジェクタ―内部の汚れ | 燃料やオイルが燃え切らずに残った汚れをデポジットと言います。これがインジェクターの内部に付着すると、適切な噴射のタイミングが計れなくなりPMやNOXの発生量が増えてDPFの故障の原因にもなります。 |
| インジェクター外部の汚れ | カーボンの汚れがインジェクターノズルの先端(外部)に付着する事で噴射量が減ったり、偏り(噴射パターンが均一でない)が起こります。噴射(供給)が安定しないと燃焼が上手くいかず、PMの発生やエンジンのパワー不足が起こります。 |
インジェクターは一般的には10万キロ走行または10年での交換が目安になります。今回お預かりしたお車は走行距離が11万キロを少し超えていますので、交換時期と言えます。なお、インジェクターの交換は不具合を起こしている個体のみを交換するのではなく全てのインジェクターを交換致します。
「悪い部品だけ交換してくれたらいいのに」と思われるお客さまもいらっしゃると思いますが、他のインジェクターも同じ期間だけ働いてくれていましたので、交換時期に来ていると考えるのが妥当です。それに新しいインジェクターが最高のパフォーマンスを発揮する為には、バラツキは無いに越した事はありません。不具合が出ているインジェクターだけ交換してもエンジンが最高の性能を発揮できなければ意味はありません。
今回もお客様にご説明をさせて頂くと共に、インジェクターを交換しコンピューターのリセットを行いました。
● 故障修理の内容と費用
| 作業内容・部品等 | 工賃 | 部品代 |
|---|---|---|
| 基本診断料 | 30,000円 | |
| DPFアディションインジェクター交換 | 12,000円 | 28,900円 |
| DPFクリーナー | 10,000円 | |
| クリーニング作業及び試運転 | 30,000円 | |
| 合計 | 72,000円 | 38,900円 |
| 消費税 | 7,200円 | 3,890円 |
| 総計 | 121,990円 | |
インジェクター交換後、DPF再生を行ったところ温度がしっかり上がっているのが確認出来ました。通常は約20分程度でDPF再生が終了します。その後、燃料系添加物(DPFクリーナー)を注入します。

強力な洗浄作用はDPFやセンサー類、燃料システム(燃料インジェクター、燃料室等)・排気システム(触媒コンバーター、エキゾーストマニホールド、バルブ等)等を直接洗浄し、堆積したスス等をこすり落として除去してくれます。それぞれのパーツが本来の機能を取り戻し、自動再生を繰り返したり、警告灯が点灯するのを防いでくれます。
添加後車を走行させると、DPFクリーンが燃料系全体に浸透します。その後門真の整備士が再度診断機でチェックしたところ数値は改善しました。

● 修理後の様子
修理後は、DPF警告灯も消え吹けも戻り問題無い事が確認出来ました。またお客さまにもご確認いただき大変喜んでいただきました。
●まとめ
ディーゼル車とDPFは切れない関係にあります。
【DPFとは】
環境問題への取り組みの一環として、ディーゼルエンジンに対する排ガス規制(窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM))が始まり、規制基準を満たさないディーゼル車両には乗り入れや走行に規制が設けられました。その為、大気中の粒子状物質(PM)を排気させない為のディーゼル微粒子捕集フィルター装置としてDPFが開発されました。
DPFは粒子状物質を捕集して燃焼除去します。
DPF= Diesel Particulate Filterディーゼルパティキュレートフィルター
自動車メーカーによって、DPFの名称は少しずつ違いますが、一般的には「DPF」で通じます。
DPF:三菱ふそう、日産、マツダ
DPR:トヨタ、日野
DPD:いすゞ ちなみに、窒素酸化物(NOx)はDPFでは除去出来ません。その為アドブルー(尿素水)が使用されます。
DPFはマフラーの真ん中辺りに設置されています。排気ガスが通過する際フィルターが粒子状物質(PM)を捕集しています。捕集された粒子状物質(PM)は一定の量に達すると、高温になった電気ヒーターで燃焼し無害化する様になっています。これを「DPF自動再生」と言います。
DPFは自動再生と手動再生を行う事で機能が保たれる様になっていますが、フィルターの機能が低下したり、燃えカスが内部に堆積して排ガス浄化が出来なくなると、インジケーターランプが点滅~点灯します。これが酷くなるとエンジン警告灯ランプが点灯する様になり、遂にはエンジンの不調へとにつながります。
車両の状態を知らせるために表示灯(インジケーター)があります。光り方(点滅や点灯等)によってDPFの状況が違いますので、対処法も変わってきます。
エンジン警告灯が点いてしまうと、車へのダメージが大きくなると共に、ドライバーの安全にも大きな影響を及ぼしかねません。走行中にエンジンの出力が弱くなれば…それが高速道路だったら…。事故にはならなくても、エンジンが故障してしまったら、今回の何倍もの修理費が必要になります。
DPFの機能を長期間維持する為にも、ドライバー自身がメンテナンスに関する意識を高める事も大切です。DPFに限らず、お車に関してお困りの事がございましたらお気軽に東伸自動車までご連絡下さい。門真の整備士がお客様のお車を丁寧に拝見すると共にご説明もきちんとさせて頂きますのでお気軽にお問合せ下さい。
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